こたつむり

殺意の道程のこたつむりのレビュー・感想・評価

殺意の道程(2020年製作のドラマ)
4.0
コメディ+サスペンス。
いわゆる、コメサス。いや、サスコメ?あるいはコメペンスでどうでしょうか…ってこのネタは他の感想で書きましたね。

何はともあれ、コメペンスとして一級品。
脚本がバカリズムですからね。日常のさりげない部分をネタにするのは相変わらず。目線が一般人と同じであり、なおかつ“新しい気付き”と“あるある”が両立しているんです。

コンビニでトイレを借りたときとか。
ファミレスでのメニューのチョイスとか。
ホームセンターで売っている「あれ?これって誰がターゲット?」と思う商品だとか。

あと、キャバ嬢の“自分の服じゃない”感が強い衣装とかも“あるある”ですよね…って、夜の店に詳しくないんで、よく分かりませんけど。そんな話を同僚から聞いただけなんですけど。

って、少し脱線しちゃいましたね。閑話休題。
彼はピン芸人ですから、視聴者をツッコミ役に仕立て上げるのはお手の物。だから、ついついツッコんじゃうんですよね。この辺りは本当に見事。とても楽しいコメペンスでした。

何気に配役も神懸っていますからね。
ダブル主演に井浦新さんを選んだところが慧眼。人が好い感じだったり、ヤクザっぽい役柄だったり、と色々な役柄を演じられますが、基本的には“何を考えているか分からない”感じがする俳優さん。

そんな彼の立ち位置が本作にはピッタリなんです。それはキャバ嬢役の堀田真由さんと佐久間由衣さんも同じ。「ザ・捕食者!」というタイプのほうがキャバ嬢には似合っていますが、本作の“ふんわり”さには合いませんからね。絶妙な人選だったと思います。

ただ、それでもあえて難を言うならば。
敵役の鶴見辰吾さんが経営する会社が「グッドエム」という名前は…うーん。ダサいかなあ。ちょっと一流の会社には思えなくて…もっとベタな感じで良かったんじゃないかなあ。

まあ、そんなわけで。
シリアスな序盤に「お。これはサスペンスなのか?」なんてドキドキしちゃいますが、基本的にはバカリズム節が極まるコメペンス。コメペンス市場は大きくないですからね。コメペンス好きならば押さえておくべき作品です。

こんだけコメペンスって書いたら普及するかな?
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