こたつむり

真犯人フラグのこたつむりのレビュー・感想・評価

真犯人フラグ(2021年製作のドラマ)
3.5
『あなたの番です』の精神的続編。
なので、基本的なスタッフは同じ。効果音も同じ。演出も似通っているところ多し。知的好奇心の煽り方も相変わらず。先が気になって仕方がない…んですが。

論理的に推理できないのも同じなんです。
提示されているヒントが断片的すぎるので、どのように解釈するのも可能。あまり“整合性”に拘らず、ドキドキしながら楽しむタイプの作品ですね。

また、今回は舞台設定が限定されていません。
ミステリって前提になる条件が狭まるほど脳汁が溢れるんですが(『そして誰もいなくなった』なんかが良い例)今回は何でもありなんです。新興宗教とかも出てきますからね。犯人の動機も絞り過ぎない方が良さそうです。

その代わり、ネットとの関わりが主軸。
簡単に炎上しちゃう世相を見事に反映していました。

ただ、ネット社会は日進月歩。
本作は2021年~22年の作品ですが、既に古くなっている部分もあります。というか、そのうち“ネット炎上”も死語になると予測します。気にしたら負け、みたいな感じで。

だから、本作は今のうちに楽しんだ方が吉。
それこそリアルタイムで視聴していた人は“勝ち組”でしょうね。毎週毎週、ドキドキできたのですから。それに放送が終わるとネタバレが氾濫しますからね。犯人を知る前に観ることが出来のか…それもミッションの一つかもしれません。

まあ、そんなわけで。
イマドキの題材を用いた真っ当なサスペンス。
人間って簡単に他者を疑えるんだなあ、なんて暗い気持ちになりますが、推しの存在を作れば救われると思います。

ちなみに僕は芳根京子さんを推します!
というか、これまで彼女の存在を知らなかった自分が許せません。彼女の笑顔を曇らせないように…そんな展開を期待していますが…どぅ?

でもね。愚息は彼女が犯人とか言うんですよ。
「身近な人が一番怪しい」とか知ったようなことを言うんです。令和の世で、そんな手垢のついた演出をするわけないですよ。もしも、本当に彼女が犯人だったら…製作陣に石投げちゃうな。えい。
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