E1
国歌斉唱を拒んだ事でも話題を呼んだNFL選手コリン・キャパニックの半生。白人の両親の元で育ち、思春期を迎えたキャパニックが直面するコーンロウと“THUG”という言葉。ほとんどスパイク・リーのような監督エヴァ・デュヴァネイの闊達さ。マイク・フラナガン同様、エヴァ・デュヴァネイもNetflixで進化し続けている映像作家。ブレイクこそ長編映画『グローリー』だが、その後はNetflixドキュメンタリー『13』、そして傑作『ボクらを見る目』に至る。『コリン・イン〜』のジャンルレスな軽やかさと、黒人史を俯瞰する明晰な語り口に驚いた。
E2
父親役の俳優がいいなぁと思っていたら僕の好きなニック・オファーマンだった。『ハーツ・ビート・ラウド』で娘とバンドを組みたがるやもめの父親を演じていた俳優。僕はこういう息をするように自然な演技をする俳優が好きなのだ。
時折教育番組のような堅苦しさもあるが、E4にはいいセリフが出てくる。
「人生は短い。夢を生きろ」
「親父の受け売りだよ。今月号のプレイボーイに書いてあった」
ここから野球選手として嘱望されながらアーティストとなったベアデンを引用する巧さ。
完走。
ショーランナーであるエヴァ・デュヴァネイ監督の第1話に興奮したものの、終わってみれば30分×6話のフォーマットが本当に正しかったのか、物足りない印象。うぬーん。