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恋せぬふたりのけるのレビュー・感想・評価

恋せぬふたり(2022年製作のドラマ)
4.5
いつかくるとは思ってたけど、ついに「アロマンティック・アセクシュアル」を題材にしたドラマがでてきた、、、、!!!!日本のドラマの中では多分一番手?なのかなと思うけど、一番手がNHKでよかったなと思う
ドラマの描き方だけでなく、考証チームのブログをサイトに掲載してるところとかも丁寧で向き合い方が真摯に感じた

最終回がめっっっっちゃよくて、咲子と高橋さんが2人で話すシーンから最後の咲子のセリフまで涙が止まらなかった
高橋さんが「家族(仮)」の関係は解消、そしておばあちゃんのお家は手放して自分の夢を叶えるか夢を諦めて現状維持の2択しか頭になかったところに咲子が夢もおばあちゃんの家も「家族(仮)」の関係も諦めない選択を提案するのがとってもよくて、「そうしてもいいんだ」って気づいた高橋さんの涙でこちらも涙ボロボロ、、、高橋さんもある種の固定観念に縛られてたんだなぁと気付かされたし、最初は高橋さんが咲子とか周りに与える影響がかなり大きかったけど、咲子が高橋さんに与えた影響も同じように大きかったんだなと思った
お互いを思って、真正面から向き合える2人の関係はそこに恋愛感情がなくても「家族」だと思うし、なんならいわゆる「普通の家族」以上に「家族」だと思う

物語の中では咲子の妹の家族がそのいわゆる「普通の家族」な存在を担ってるんだと思うんだけど、こことの対比がなかなかきつい部分があった、、、、咲子と高橋さんが咲子の実家に行った回はあまりにも「普通」を押し付ける感じが見ててしんどかった記憶、、、、
なにより妹の旦那が無理すぎた〜〜〜「俺学校でLGBTとか教えてるからそういうの分かるよ」的な発言したのも無理だったし、そのあと嫁の妊娠中に浮気するのも最悪すぎてほんと地獄に堕ちろと思った!!!!!でもその浮気の展開を描いたのは恋愛感情があって家族になったとしてもそれが絶対の幸せとは限らないっていうメッセージが込められてる気がして非常によかった
あと咲子が自分の家族に「アロマンティック・アセクシュアル」だということを打ち明けた時やいのやいの言う周りに対して高橋さんが言った「なんでこういう時にそういう人もいる、そういうこともあるって話終わらないんですかね」に全力で頷いたし救われた気がする

そして2人の関係をそういう人で話を終わらせずにどんどん突っ込んでくカズくん、、、、最初はめちゃくちゃ地雷っぽかったけど、ただ単に純粋で全力なだけなんだなっていうのが徐々にわかってきて最終的には超いいやつって感じの愛おしいキャラクターになった!!!!
カズくんがいろいろと勉強して「俺も恋愛とかセックス抜きで咲子のそばにいたい」って気持ちにたどり着いたことによって、咲子は高橋さんとカズくんの2人で悩むことになるんだけど、そのシーンがあることによって咲子の高橋さんに対する信頼とか思いが伝わってよかった
カズくん絡みのセリフで言うとやっぱり高橋さんの「愛のないセックスは理解できるのに、セックスのない愛は理解できないんですね」が好き
ルパパトで知った濱くん!!!!めっっちゃよかった!!!

自分も咲子や高橋さんと同じかもなぁと思ってたから、情報解禁時からかなり興味深い作品だった!!今の気持ちとしては「やっぱりそうだ!」というよりかは「共感する部分は多いけどやっぱり違うかなぁ」と言う感じ、、
だからこそ、咲子が言った「なにもかも(仮)でいい」「私の人生に何か言っていいのは私だけ」「私の幸せを決めるのは私だけ」が響く〜〜〜〜

総じて今期のベストドラマでした!!!
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