長内那由多

ボバ・フェット/The Book of Boba Fettの長内那由多のレビュー・感想・評価

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E1
デイブ・フィローニ、ジョン・ファヴローら『マンダロリアン』チームが再結成しているだけに安定感はあるんだけど、果たしてテムエラ・モリソン御年61歳主演で1シーズンもつのか一抹の不安…。

E2
予想してなかった角度の面白さ。現在パートは『ブレイキング・バッド』S5なのに、回想パートは『DUNE』(『ラスト・オブ・モヒカン』も)。かつてアナキンに“怪物”と罵られた砂漠の蛮族タスケン・レイダーを“先住民”として描き直し、それをマオリ系テムエラ・モリソンでやる意味。
それにしてもボバとフェネック、ガモーリアン×2しかいないジャバの宮殿の維持って大変そうですね…。あの巨大な門の開け閉めとかどうしてんだろ。

E3
ジョン・ファヴローとロバート・ロドリゲスでは差があり過ぎやしませんかね。

E4まで
回想パートに比重があるためシリーズに駆動力がないのは問題なんだけど、『マンダロリアン』S2といい、ボバ・フェット絡みのエピソードは「まさかこんな画を見れる日が来ようとは…!」とこちらの感慨フィルターで色々帳消しになってしまうのだから、いやはや。

poplifeでも言及があった西部劇がトレンドというのは納得で、スター・ウォーズが再びメインストリームに復活できたのも西部劇に原点回帰したおかげだよなぁ、と(そしてトレンドの下地を作ってきたのはアルバカーキ“荒野”を舞台にしてきた『ブレイキング・バッド』だと思う)。

監督によってムラがあり過ぎる印象。今の所、1番面白かったE2のステフ・グリーンの名前を初めて認識したが、振り返ると『ジ・アメリカンズ』や『ウォッチメン』に参加している。なるほど。

E5
実質『マンダロリアン』S3の序章で、やっぱり新生スター・ウォーズの華形はマンドーなのだ。そしてSWのオリジンとも言える『アメリカン・グラフィティ』風の今回を、ロン・ハワードの娘ブライス・ダラス・ハワードが手掛けているのも泣かせる。SWの宇宙船は車である事を再確認。

E6
主役は誰ww
ようやく『The Book of Boba Fett』の意味が明らかになった。『マンダロリアン』から連なる“『スター・ウォーズ』シーズン3”であり、今後、様々なタイトルで展開されるTVシリーズ群は、超大な聖典を織り成す1冊なんだと思う。ディズニーのSWユニバース構想が本格的に姿を現した回だった。
デイヴ・フィローニはちょっと陶酔気味だったけど。

最終回。
も、盛り沢山過ぎる…。そしてこのシリーズは結局なんだったんだという奇妙な感想しか残らない(『マンダロリアン』S3のイントロだった)。このくらいの製作規模だったらロバート・ロドリゲスはちゃっちゃと撮ってしまうんだろうけど、もうちょいモブに芝居をつけてくれ。
VFX絡みのシーンは芝居が死んでた。E6のデイブ・フィローニもファンが見たい場面は用員してくれるけど、芝居の演出はそんなに感心しない。
長内那由多

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