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ムーンナイトのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ムーンナイト(2022年製作のドラマ)
4.0
2023年、TVドラマの出発はここから。

去年の9月に『ホークアイ』まで観てちょっと他に目移りしたりしてモタモタしてたらMCUのオリジナルTVが結構増えてて少しでも追いつかねば、と。

せっかくD+に加入してるので、今年はMCUのTV以外にSW関連のオリジナルTVにもチャレンジしていきたい。

『ムーンナイト』、ムーンナイトになる主人公がそもそもで多重人格設定。この時点でかなり難解。

ムーンナイトの力を与える異端の神と契約し、その意志を代行する化身、“アバター”になった、、、のは、彼の“別の人格”。
最初のベースの人格は物静かで争いを好まず、博物館の売店で働くただの男。

その彼が突然、エジプトの神話をモチーフにした神やら、“アバター”やら、それぞれの野望による摩擦と争いに巻き込まれる。

その状況飲み込みきれない騒動の中、さらに自分が多重人格らしくて、別の人格が妙な姿に変身してそれらと対峙できることを知り、さらなる混沌へ。

そして、その別の人格と対話しているうちに、その神と“アバター”には彼らなりの流儀と使命があり、そのために人知れず別の力と戦っていることを知る。

最初はそんなことに巻き込まれたくないというごく自然の話から始まり、そうは言っても体は1つの多重人格である以上離れられないから、どっちが体を支配するしないの話になり、その“個人内のいざこざ”を経ているうちに、外野が慌ただしくなっていく。

そして、それが自分の“アバター”の主人の異端の神コンスと、目的を違える別の神アメミットの意志と“アバター”との壮大な対局となりながら、“個人のいざこざ”との向き合い、己の多重人格のルーツに迫る話と交錯していく。

ムーンナイトと言うもんだから、その見た目もあって、日本の“月光仮面”、、、?とか思ってたら、エジプト神話ルーツの歴史の厚みが途方もないスケールのヒーロー誕生の物語だった。

コンスにせよ、アメミットにせよ、ムーンナイトにせよ、その他人類の面々にせよ、見た目も内面もミステリアス。
エジプトを背景にした神秘的で厳かな舞台と造形が、これまでのMCUにはいなかった雰囲気を醸し出していた。

コンス側がオスカーアイザック、アメミット側がイーサンホーク。これまでのMCUオリジナルTVシリーズや映画シリーズにも負けず劣らずのインパクトのあるダブルキャスト。

エジプトの神々のいざこざがあり、多重人格の話でてんやわんや。

そこに、さらに途中で精神世界みたいな概念が挟まってきて、いよいよ現実か空想か、そもそもどっちが現実でどっちが空想か、いや、現実とか空想の概念や境界があるのか、、、と、追い打ちかけてくる。

これを全6話でやり遂げる。
これは『ムーンナイト』の壮大なルーツと誕生のプロローグ。

これまでのMCUメガネで見るとややクセ強いかもしれない。
でもその分、斬新で可能性を秘めてると思う。
時間や空間軸的なマルチバースとはまた異なる人の軸での厚みを産んだ新たなヒーロー。ややダークヒーロー気質。

最後の方でサイズ感もなんかしれっとナチュラルにギアチェンジしてくるし、何より神秘的レベルは随一。


F:1953
M:10355
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