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Dr.コトー診療所のmatchypotterのレビュー・感想・評価

Dr.コトー診療所(2003年製作のドラマ)
4.8
まさかの約20年ぶり?ぐらいかの劇場版が公開される!?ということで、あの当時の感動を再びなぞりたくなって。

ここ最近の思い返し系で観た日本のTVドラマ『JIN』、『ガリレオ』、そしてこの『Dr.コトー』。
もう、どれもこれも、殿堂入り。

特にこの『Dr.コトー』は、人と人の繋がりや、生きとし生けるものとして大切な何かをゆっくり、じっくり、等身大で、剥き出しに伝えてくれる。

中島みゆき『銀の龍の背に乗って』、この作品との相乗効果が尋常ではない名曲。

後藤、いや、コトー先生。
診療所の先生がなかなか定着せず不在が続く離島。
次なる候補として担当の小林薫が連れてきたのが彼。後藤。呼びづらさやキャラの兼ね合いで“コトー”となる。

しかし、いざ来てみたは良いものの、島もやっと次の医者が来たぞとなったは良いものの。
ここまでの医者の不在や、過去の医者の応対などの積み重ねで、医者不信。

ただでさえ排他的な離島の村落という環境が、さらなる不信感を募らせており、医者としても、人としても、離島なだけになかなかとりつく島のないところからスタートする物語。

それでも、目の前の些細なことから、ろくな設備もない診療所や、海の上、その他もろもろで起きる治療活動を通して徐々にできる関係や絆。

1人、また1人と、窮地を救ったり、新しい命を取りあげたり、オペをしたり。
外科から内科から産婦人科や呼吸器科、何から何までコトー先生は目の前の命に真摯に向き合う。

その暖かさや、厳しさを通して、島の不信感も雪解けを見せるかと思えば、新たなトラブルが起きたり。

そもそも凄腕のコトーがこんな離島になぜやってきたのか、その“理由”も明らかになる。

話は面白いし、何より、このキャスト。
吉岡秀隆、柴咲コウ、筧利夫、小林薫、時任三郎、泉谷しげる、大塚寧々、大森南朋、石田ゆり子、、、。
最強過ぎるレギュラーメンバー。

それに加えて、國村隼、木村佳乃、竜雷太、その他豪華なゲスト陣たちが、島の素晴らしく美しいロケーションで繰り広げられる医療ドラマ。

最高すぎる。
特にこのドラマにおいては時任三郎の存在感。
口数少なめな頑固な漁師。過去に島に来た医者に適当な診療されて誤診の果てに妻を亡くす。

という心機一転のコトーと最悪な相性から始まる彼との出会いと、島での出来事を通して作り上げられていく絆。
これが、常にベースにあって、何があってもココを起点とすることも多く、1番摩擦があるからこそ、1番お互い意識し合う。

時任三郎の行動や、セリフ、表情1つ1つが胸に沁みる。

小林薫と泉谷しげるの腐れ縁的なおっさん同士の関係も好き。

柴咲コウの魅力の最大火力になってる。キャラにどハマり。活発でエモーショナルで頑張り屋さん。時間が経つほどにコトーにちょっと、、、あれ?の感じも、可愛い。ツンデレ、最高。

ショートボブ系の髪の短い石田ゆり子もめちゃくちゃ素敵だけど、この作品においては柴咲コウのカリスマ性がとても際立つ。

コトーが壁にぶち当たったり、悲しみに暮れたり、挫折や絶望した時の筧利夫、これもまた沁みる。
時任三郎の厳しさの反面、明るさと優しさ。
一緒に頑張ろうと思える仲間としてとても共感できるキャラクター。

とにかく何においても、どこを切り取っても、心揺さぶられる色んな感情が降り注ぐ最高のTVドラマシリーズ。

あきおじの件とか、なんだかんだと仲良くなる内ばあさんとか、島に1人しかいない医者だから見えてくる尊い命や尊厳。
先端医療でも学べないことがこの辺境の地にたくさんある。

医療でなくても、逆にこのご時世で観るからこそ人として何か大切なことを感じるTVドラマ。

だから、映画化するのか。
何とかSPドラマとシーズン2も観直して何とか間に合わせたい、、、、ぞ。


F:1919
M:2864
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