「迸れえぇぇ〜、ダイナミック!デッカァァァー!」
ウルトラマンデッカー。
前回のティガのリブート的シリーズ、トリガーに続き、ダイナのリブート的シリーズ、デッカー。
アスミカナタ。煎餅屋経営するじいちゃんちで暮らす元気な孫。親は火星に旅行。
そんな、両親不在中に地球に謎の物体が飛来し、地球をバリアのようなもので覆ってしまう。
その正体は“スフィア”なる知的生命体。
こいつの目的は最後の最後までわからないが、どうやら地球の前にも他の星を同じようにし、星のエネルギーを吸い取って最後は“スフィア”のバリアが縮んで星を破壊してしまう、らしい。
バリアのせいで地球外とも通り抜けどころか交信すら取れない。宇宙規模でほぼほぼ外部と遮断された地球が、地球の存亡をかけて“スフィア”と戦う。
その戦いの最前に立つ組織、“GUTSセレクト”。
圧倒的な“スフィア”からの攻撃に打ちひしがれながらも、何とかしたくて、ただただ何とかしたくて、カナタはGUTSセレクトになるため、訓練とテストを受けることを志願する。
前回のトリガーの時同様、主人公は一般市民スタート。戦いに関してもど素人。
そんな彼が、何とかしたいと願うだけの彼が行動を起こす。
最初は大して何もできないただの若造だが、ただただひたすら前を向き、目の前のやれることを、頑張れることを、1つ1つ頑張る。
同じく真っ直ぐで仲間思いでおちょめなキリノイチカ、頭脳明晰でクレバーだけど性格が正反対すぎてカナタと衝突しながらチームをまとめるリーダー格のリュウモンソウマ。
かつて現場でも色々あった経験を活かしGUTSセレクトの隊長を務める冷静と情熱の間ムラホシタイジ。
それを支える副隊長、カイザキサワ。
そして、ダイナの時は可愛いペットみたいな存在だったが、今回はAI知能ロボとして機体の操縦から隊のサポートを行うHANE2、通称ハネジロウ。
ハネジロウは序盤で、カナダがデッカーであることに気づき、カナタの良き相棒として彼を支える。
カナタの向こうみずな行動で、死にかけ、その時、その思いに招かれるようにやってきたデッカー。
その力を宿すことで再び息を吹き返し、デッカーとして、GUTSセレクトとして、人として、“スフィア”と戦い、怪獣と戦うカナタ。
“スフィア”と向き合い、怪獣と向き合い、人と向き合い、地球と向き合う。ただただ真っ直ぐに。
とても清々しいシリーズ。
途中で裏切りに遭ったり、“スフィア”の力で恐るべき力で向かってくる怪獣と対峙したり。
助けたくてただただ1人で前に進むだけでは何も解決はしない。
しかし、前に進まないと何かは解決しない。
そのカナタの思いに、やがてGUTSセレクトがまとまり、それでも厳しい時はデッカーの力を借り、それでも厳しい時はケンゴ、トリガーも力を貸す。
この初代ウルトラマンから脈々と受け継がれる“ウルトライズム”。
彼らの力は助けにもなれば、支配による力にもなる。
だから、“ウルトラの力”は自ら人類に干渉することはない。
しかし、人類が進む道を見つけ願う時、そこに人類ではどうしようもない障壁が立ちはだかる時、そっと手を差し伸べ、背中を押す。
それが“ウルトライズム”。
今回は、毎年定番の2クールのTVシリーズの後、来週からニュージェネレーションたちの活躍を描く新番組が始まる。
、、、これは、いつもと違う流れが起きてる。
去年はTSUBURAYAのサブスクでもギャラファイが盛り上がる。
最近、海の向こうのヒーローたちの映画のような、歴戦のウルトラの戦士たちが休む間もなく離合集散を繰り返し宇宙を股にかけて忙しく悪の綻びと日夜戦っている。
久しぶりに盛り上がってる気がする。
今までは単発単発で、たまにコラボする程度でどうしても流れが止まっていたが、今は違う。
単発の新TVシリーズがあり、ギャラファイがあり、新たなニュージェネTVシリーズの幕もあがる。つまり同時並行で複数走る。
この往年のウルトラ戦士たちの層の厚さがやっとここで花開いている気がする。
もちろん、個でも十分魅力的で、昭和も平成も令和のシリーズも、それはそれで好きだが、それらが集うユニバース、楽しみで仕方がない。
ティガ贔屓の個人的にはデッカーよりトリガー派ではあるけど、このシリーズはトリガーからの地続きで彼にも出番があるし、彼の活躍がベースにある地球の物語であることがとてもよく伝わってきた。
その点は、ティガとダイナの繋がりよりも強く感じられた気がする。
しっかり姿形も、話のベースも、キャラの造形も、ダイナも感じられ、また、彼の出番もあったことも世代としては毎回とてもウキウキしながら観れた。
次々楽しみが絶えないこの感じが、とても楽しい。
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