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ウルトラマンブレーザーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ウルトラマンブレーザー(2023年製作のドラマ)
4.0
“俺が行く”。

ウルトラマンブレーザー。
どこからやってきたのか、何しに来たのか、どうしてゲント隊長が選ばれたのか。

今回のウルトラマンブレーザーは、なかなか“謎”が多く、その“謎”の解明にあまり触れられないのが特徴。
技の名前とか、武器の取り扱い説明とか、目的その他本当に語られない。

時々、謎のアニメーションによるそこまでの総集編が挟まって細く説明のような回があるが、それもそこまでの映像の編集と解説で、そこで少し明らかになるが、いつも全貌が明らかにならない。

このシリーズ、ブレーザーと共に地球を守ることと向き合う“SKaRD”の隊長、ゲントは、何と父親。妻と子供がいる。今までに無い設定。

途中まであまりそこに触れられないが、ちょこちょこ夫婦や親子の絆にも触れてくる。
しかし、家族にはブレーザーに変身するのは自分であることはもちろん、“SKaRD”の隊長として最前線の危険な任務に従事していることも機密であることから言っていない。

そんな父親としても“何も言えずに戦っている”ことも、ブレーザーについてあまり何も語られないことも、どこか繋がっているような物語。

何も言わなくても、誰にも言えなくても、ウルトラマンであろうと、そうでなかろうと、どこかで、誰かが、向き合わねば何も解決はしない。

だから“俺が行く”。

ゲント隊長や“SKaRD”だけではなく、民間人のエピソードも含めて、そういう思いが込められてる話が多い。

だからこそ、何も語られなくても、ゲント隊長と共に傷つきながらもゲント隊長の呼びかけと呼応したり、逆に無理を強いるゲント隊長をぶっきらぼうに制したりする、無口だがストレートでやんちゃなブレーザーの存在が際立つ。

そう言う意味では孤高のヒーローだから、強いて言うなら他のウルトラ戦士との絡みが圧倒的に少なく、玩具やヒーローショーの演出に繋がりにくかったのが少し残念には思うが、これはこれで今までの流れにはなかった特性。

この特性がこれだけで終わるとブレーザーが孤立しそうなので、この流れで新たな流れを作っていって欲しい。

実は全体に大きな流れがあって、ファースト、セカンド、サード、フォースインパクトとして、何か大きな脅威が意図を持って地球に仕掛けてきている流れがあり、その大きな流れの中で地球に住む怪獣もその脅威に対してアクションをしているような背景もあるのも面白かった。

余計な情報や寄り道がないだけに、ゲント隊長と“SKaRD”の人知れない奮闘と友情、ブレーザーとの絆や勇気にフォーカスしたシンプルで純粋なシリーズ、“ウルトラマンブレーザー”。

そして“SKaRD”のエミ、めちゃくちゃ可愛い。

しっかりとメンバーそれぞれのキャラクターの色が出てるし、特殊部隊ならではの組織本体との摩擦や軋轢、世界規模での作戦が展開されるスケールを乗り越えて自分たちの任務と大切なことを突き通す意思の強さも見どころ。

そして、ガバドン、最高。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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