あーさん

風よ あらしよのあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

風よ あらしよ(2022年製作のドラマ)
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このレビューはネタバレを含みます

母に薦められて。

うちの母は70代後半になるけれど、若い頃からジェンダー論やフェミニズムといったものに興味津々な人で、私はそれがとても嫌だった。
女性の権利を声高に叫んだり、自由を求めて過激なことを言ったりやったりする人は、大の苦手なのである。。

案の定、主人公の伊藤野枝ってどんな人?とググれば、ヤバい匂いがプンプン。。肩書きの婦人解放運動家はまだしもアナキストって…⁉︎
かなりぶっ飛んだ人なのであるが、"昔の女性(明治〜大正生まれ、ちょうど私の祖母世代)の置かれた立場を知ってほしいから"と言われたので、あまり期待せずに鑑賞。

が、、まだ一話目なのだが、予想に反して面白かった♪
野枝役の吉高由里子が上手い!稲垣吾郎も頼りになる先生かと思いきや、実はヘタレな夫がハマり役!(尺八のシーンは最高♪→こっちはダダイスト💦"一切を断言し否定する"ってどんな価値観??)
野枝の実家のある村の男達(のセクハラ発言)もリアルで気持ち悪い。。今なら一発アウト!!どっちも極端やなぁ。。
ギラギラしたアナキスト大杉栄役の永山瑛太や青鞜社の平塚らいてう役の松下奈緒他のキャストもあの時代の空気感を自然に出していて(NHKは今期の朝ドラでひっくり返ってしまったのだが、こちらは脚本も)良かった(今の所は…)。

何だろう、、主人公に100%共感できなくても、それなりの説得力があれば、ドラマとして楽しむことはできるのだなぁと思えた。
Wikipediaで文章を読んだだけの時は、なんて破天荒(マイナスの意味で)な人なんだろう、、と嫌悪感さえ持ってしまったけれど、ドラマで観たらそこまでではなかったから、不思議。
運命の出会いによって、夫と子どもが捨てられるのはまだ先だから、そこが描かれていくとまた感じ方も変わるのかな💦(瀬戸内寂聴の世界。。)

けど、今となってはしがらみに縛られてひたすら我慢しているお母さんより、自由を求めて飛び出すお母さんの方が、憎まれるかもしれないけれど結果的には良いんじゃないかな?等と思ったりするので、そこまで嫌じゃないかも?
自分に嘘をつきながら生きているお母さんを見ているのは、子どもにとっても辛いんだと思う。。

こういう女性達が血の滲む思いをして時代を切り拓いてくれたからこそ、私達は今、昔よりも格段に幸せに生きられているのだ、と気付かされた気もする。(ガラスの天井はまだまだ厚いし、当事者の家族はたまったものじゃないけど…)
学校卒業と同時に親の決めた人と結婚するのが当たり前、そして女性に参政権もない時代、、現代では考えられない。
母が伝えたかったのは、そういうことなんだな。

実在の人物だから先は知ってしまったのだけれど、どう描かれるのか、見届けたいと思った。

三話完結。
あーさん

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