いよら

最愛の敵~王たる宿命~のいよらのレビュー・感想・評価

最愛の敵~王たる宿命~(2022年製作のドラマ)
3.8
フィクションではありますが、時代設定としては『七日の王妃』の後くらいの時代になります。
暴君がいて(これ燕山君がモデル)、その弟が周りから推されて王位を継いで、その息子が、今回の主人公イ・テです。
なので、ストーリー的には関係ないけど、『七日の王妃』見てると、なんか父王がヨクに見えてくる。
という時代背景なので、暴君が少し前にいた、っていう事実がこのドラマの要だったりします。
王よりも、左議政の方が権力を持っている、そんな時代の話。

主人公は王様のイ・テですが、心情的にはこの主人公サイドではあったけど、イマイチ感情移入しづらいキャラではありました。彼が目指しているものもわかるんだけど、ハッキリしないところが苦手…。お顔も好みではなかったのでキュンはなかったです。
カン・ハンナが演じる王妃候補のユ・ジョン。彼女ははじめこそ周りに振り回されてる感じもありましたが、途中からは自分の意思で立ち向かっていく姿勢がカッコよかったですし、人に対する向き合い方に好感が持てます。周りの人を動かす力も、人を見る目もあるし、この人が王妃になったら、王様に諫言などがしっかりできていいんだろうなと思わせる人でした。彼女の方が主人公っぽかったですね。

そして敵対する左議政役のチャンヒョク。今回、この配役見た時に、「ついにチャンヒョクもこんな役をするようになったのか…」と思ったんですが、初めの数話こそ政敵としていやな風に絡んでくるんですけど、途中から、私がよく見る左議政像と違ってきました。弓をいる左議政も、剣を振るう左議政も見たことなかったので。やはりチャンヒョクがこの役をやる理由はちゃんとあったんですね。(はっきり言って、兵曹判書よりもアクション面で活躍してしてましたよ)
そして、彼の行動原理。苦悩する左議政はいたけど、自分の利益だけじゃないところで苦悩してる、っていうのは新鮮でしたし、すごく良かったです。さすが、チャンヒョクでした。最後までカッコいい人でしたね。

誰が誰の敵で、どう争っているのか、先が読めませんでした。
ラストは納得かな?
聖君になる、っていうのは難しいですよね。
そもそも聖君ってなんなんだろう?誰もが素晴らしいと思える君主ってなれるものじゃないですよね。
1人で行うのではなく、周りの支えがあってこそ。嗜める者がいてこそ、なのかなという気がしました。
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