なっこ

オクトー~感情捜査官 心野朱梨~のなっこのレビュー・感想・評価

3.2
今季ドラマのダークホース。意外と一番海外ウケしそうな内容だと思う。日本の世相を反映してるし、主演ふたりは美しいし。

それにしても終始能面のような表情で病室に居続けた姉が一番難しい役どころだったのではないかと思う。彼女の佇まいには真実味があった。だからこそ、最終話のシーンが重く感動的になったのだと思う。

感情を見ることのできる共感覚の刑事。
面白い発想。たまに、私感情が見えるんです、という説明的なセリフがうるさいなと感じることもあったけど。毎話初めて見る人への説明なのかしらね。
感情を軸に捜査することから、犯人の動機や犯罪心理によく迫っていて見ていて面白かった。特に最後の黒の感情の解明は、そういうことだったのかと納得。

感情はコントロール出来るのか。
その人の意志によって感情を閉じ込めることは可能か。
全ての感情は等しく美しいのか。

ヒロインが刑事になったのは姉に感情を取り戻して欲しいからだった。犯罪を憎む気持ちはあっても、彼女は最後まで犯罪者自身とその人の抱いた感情を憎むことはなかったように見えた。
医者でも心理学者でもなく刑事になった彼女がそういう人であることに私は一種の救いのようなものを感じた。

(※以下各話感想)
#最終話 脚本 三浦駿斗 監督 中茎強
黒幕は意外な人物。でもおかげで納得の結末。そして、まだ続きそうな予感。
風早の目を見て「私もです」、意味深だけど、視聴者がその色を決めて良いってことかな。だったとしたらとても粋。

#9脚本 三浦駿斗 脚本協力 橋本夏 監督 中茎強

#8 脚本 三浦駿斗 監督 林雅貴

#7 脚本 橋本夏 監督 松永洋一
あんな風に見つめられたら好きになっちゃう、といつも思うけど、風早さんはガッツリ目合わせるよね、心野と。彼からはどんなに色が見えてるんだろうって毎回気になってしまう。仕事以外ではスイッチオフってるのかな。

#6 脚本 橋本夏 監督 林雅貴

#5 脚本 三浦駿斗 監督 中茎強

#4 脚本 橋本夏 監督 林雅貴

「愛で繋がってる家族ばっかりじゃない」
すごく展開が早くてサクサク進む話だけど、素通りできない背景がある。最後の取り調べて犯人が発した言葉、その言葉を受け止めて、静かに引いていくカメラ。
なんとも言えない…そう言っているようだった。真実を暴いても、そうなる前には到底戻れそうもないというか、なんらかの抑止を働かせる機会は与えられなかったかもしれないという無力感。家族という檻の中に入れられて、もがくふたりが出逢ってしまったこと、それには“殺人”という解決策しかなかったこと、その不条理が、重くのしかかってきた。愛情ではなく違う鎖で繋がれてしまうと出口が見えなくなってしまう。そして、誰にも相談出来ない。家族の問題は、切実なのになかなかデリケートで介入も解決も難しい。今もどこかでこんな風に追い詰められている人がいるのかもしれない、そう思わされた。

#3 脚本 三浦駿斗 監督 松永洋一

#2 脚本 三浦駿斗 監督 中茎強

#1 脚本 三浦駿斗 監督 中茎強
期待値以上の滑り出し。画面の色合いが好き。公式HPのつくりも可愛い
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