なっこ

唐朝詭事録<とうちょうきじろく>-The Mystery of Kingdom-のなっこのレビュー・感想・評価

3.4
唐の時代に、若き武官と頭脳明晰な官吏が数々の事件の謎に挑むサスペンス時代劇。

中年男性と将来有望な若者バディは、長安二十四時でも良いなと思ったけれど、こちらはまた違った魅力のあるバディ。見続けるほどにこの正反対のふたりが、片や武芸、片や頭脳派と、年齢も立場も超えて互いに補い合い頼りとする関係に発展していくのが魅力的。

全36話。話数に怯むなかれ。
概ね一つの事件が4、5話ほどで解決に至る。オープニングでそれぞれ8つの事件のモチーフを映像でなぞっていく。

「長安紅茶」、「名画石橋図」、「甘棠駅館の化け物」、「悪夢に取りつかれた男」、「医館衆生堂」、「邪神に支配された街」、
「人面花」、「長安の大塔参天楼」(参考:チャンネル銀河/各話あらすじ)

最初の事件後早々に長安を追い出されてしまうので、ロードムービー的な楽しみもある。事件を解決する度に個性的な旅の仲間も増えていくし、彼らが本当に頼りになる。官吏なので方々へ赴任しながら、最後はやはり帰還する英雄譚だが、たったひとりの英雄を生み出すための物語ではないところがこの物語の魅力。ああここにあの人がいてくれたなら、と、その人が欠けているときは必ずそう思う程それぞれに役割と見どころを作ってくれている良きstory、バディものの魅力はやはりそういう絆が美しいところ。

年齢的にか、中年官吏の方に魅力を感じてしまって、頭脳明晰だが飄々としてどこかコミカル、けれど彼のひらめきはピカイチで全て理詰めで捜査を進めていく、思いを巡らせ考えこむ横顔がなんだか凛々しく見え始めたその頃に…ちゃんと素敵な人との出会いを準備してくれてるところが心憎い。主人公蘇無名の人となりに惹かれ始めたときに彼女が登場するので、全く違和感なく、年若い彼女が彼を特別視することも受け入れられた。

シーズン2のみならずシーズン3も制作が決定している、とチャンネル銀河の番組概要には明記してあるので、続きが今から楽しみ。また彼らと旅がしたいな。
なっこ

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