なっこ

作りたい女と食べたい女 シーズン2のなっこのレビュー・感想・評価

3.2
空に瞬いている星はすべて同じに見える

けれど実際には地上との距離も星々の距離もそれぞれに違う

それと同じように

このドラマに出てくる女性の人生はそれぞれに違う

でもたぶん、

女性で、単身で、労働者で、未婚で…と、
同じ括りに入れられる女性たちなのだと思う。

それぞれに個性があってそれぞれに生き方もパートナーへの考え方も働き方も違うのに、世間から見ればきっと同世代の独身女性たちと“”でくくられてしまうのだろう。

でも、
だからこそ、
そうくくられてしまう彼女たちの生活に、性に、愛に、食に、近距離で見守るようなドラマを物語を、成立させてくれたことが嬉しい。

こんな風に水平にゆっくりと手を伸ばして、広げて、つながってゆくような人間関係を、いまを生きる私たちは紡いでゆけるのだと教えてくれたから。

シーズン2は、ヒロイン野本さんの恋もすすむ。新しい関係になっていくふたりにはドキドキさせられた。そして新たな登場人物が増えたことで、より女性が異性をパートナーとせずに生きていく人生をくっきりとさせたように思う。
このドラマはとてもゆっくりと進む。
作って食べて働いて、そうやって生きている彼女たちを見ていると、ああこれで良いなと思う、私も。同僚の言う親や周りからの結婚への“圧”については、深く考えたくはない。壁にぶつかったときに、モヤモヤする心の内を、ちゃんと言語化して、聞いてくれる吐き出させてくれる誰かのいる人生であれば、きっと彼女たちのように陽の当たる場所で暮らしていける、そういう社会であって欲しいと私も願ってる。

ゆっくりでいい、
この優しい物語の続きに、また出会いたいな。
なっこ

なっこ