うにたべたい

ジャッカー電撃隊のうにたべたいのレビュー・感想・評価

ジャッカー電撃隊(1977年製作のドラマ)
4.1
スーパー戦隊シリーズ二作目。われら四人のジャッカー、ジャッカー電撃隊!

前作ゴレンジャーが幅広い人気を受け2年という長期放映し、マンネリ化を防ぐための番組チェンジで始まりました。
基本路線はゴレンジャー同様、グループで悪の組織と戦う戦隊ヒーローですが、差別化を図るためいくつかの変更が行われています。
基本メンバーがトランプの図柄をモチーフとした4人になり、コメディ路線であったゴレンジャーと違って、当時流行していたスパイ・アクションものへと変更されました。
敵組織・クライムは基本的に組織的な犯罪集団で、組織幹部のクライムボスと戦闘ロボット・機械怪物が事件を起こし、ジャッカーが捜査する展開です。
ジャッカーの4人は全員改造手術で機械となったサイボーグで、強化カプセルに入ることでチェンジします。
四人のサイボーグが力を合わせて、悪の組織・クライムを倒す、それがジャッカー電撃隊の使命なのである!

特に序盤はその設定が活かされていて、世界征服というよりも、毎話大規模な犯罪とそれに立ち向かうジャッカーの戦いが描かれました。
パターン化されていたゴレンジャーと違って、毎話スパイ映画のようなドラマが繰り広げられました。
反面、機械怪物の出番は少なめで、最後はジャッカーと機械怪物の戦いがあって終幕するのですが、機械怪物が何をやっていたか思い出せない回もあるくらいです。

序盤、メンバーにキレンジャーのようなコメディリリーフが不在のため、割りとシリアスな展開が続きます。
ただ、"暗い展開"というわけではなく、どちらかというと痛快なアクションドラマとなっていたように思いました。
中盤は4人の仲の良さを感じられる場面もあり、個人的には楽しく見れたのですが、子供人気は高くなかったらしく、途中大きなテコ入れが行われます。
それが、戦隊ヒーロー初の追加メンバー"ビッグワン"ですね。
すでにアオレンジャーで戦隊経験のある宮内洋が、ジャッカー行動隊長・番場壮吉として起用され、ビッグワンに変身しジャッカーをフォローします。
極端にキザなビッグワンのキャラクターはインパクトありましたが、視聴率は大きく上昇せずに35話という短さで打ち切りとなりました。
世間の評価はそれほど高くないイメージがありますが、個人的には悪くなかったと思っています。

ビッグワン追加以降はビッグワンが主役で、ジャッカーの4人が噛ませ臭くなるのが残念でした。
ですが最終話は、ジャッカー4人がメインでと序盤の雰囲気に近く、いい終わりかただったと思います。
本作終了にて石ノ森章太郎原作の戦隊ヒーローも終了、次回のスーパー戦隊は別の流れの作品となりました。