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電子戦隊デンジマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

電子戦隊デンジマン(1980年製作のドラマ)
4.2
小さな命を守るため愛と勇気の炎を燃やす!
スーパー戦隊シリーズ4作目、その名は電子戦隊デンジマン!
"~戦隊"という名称や揃いのマスク姿、倒した敵が巨大化し巨大ロボに乗り込んで戦うなど、スーパー戦隊シリーズのフォーマットはほぼ本作がスタートです。
本作以前のスーパー戦隊は、スーパー戦隊としてはどこかしら異色な感じがあり、デンジマンは初の戦隊ヒーローらしい作品といえるかも知れません。

物語の始まりは3000年の昔に遡ります。
遥か宇宙の彼方にデンジ星という星があり、デンジ星の人々が平和に暮らしていました。
そこに悪の異次元人・ベーダー一族が現れデンジ星を攻撃、デンジ星は滅ぼされてしまいます。
デンジ星の生き残りは巨大宇宙船で脱出し、蒼き星地球にたどり着きます。
そして現代、デンジ星からやってきて眠りについていたロボット犬・アイシーは、地球へ襲来してきたベーダー一族の信号をキャッチし目覚めます。
アイシーは5人の若者を選び出し、ベーダー一族に対抗するためデンジマンを結成するというストーリーです。

当時の流行もあって、設定がSF色強いです。
デンジマンの強化服や巨大ロボット・ダイデンジンも、デンジ星の科学力によるもので、デンジ星が地球よりも進んだテクノロージーを持っていたことが伺えます。
また、中盤からは、デンジ星の姫・デンジ姫や、デンジ星の末裔となる人物が現れます。
『遠い過去、遠い星から飛来した超技術を使って、異次元人の侵略と戦う』 という図式だけで、大人も子供もワクワクです。
デンジマンは設定がしっかりしていますが、メカのこだわりも強いです。
地球に降り立った巨大宇宙船・デンジランドは後楽園地下とデンジシューターで高速移動でき、スーパーマシン・デンジタイガーは形態を変えて陸海空そして宇宙を飛び回ります。
ダイデンジンは飛行形態・デンジファイターから変形できる変形ロボットとなっています。
設定・世界観・舞台すべてが壮大なんですね。おもちゃを揃えてプチジオラマしてみたいです。

デンジマンは戦隊初となる、民間人が選ばれて結成した5人組です。
初期はそれぞれ仕事を持っていて、特にテニス選手を目指しているピンクがデンジマン加入を拒む回が印象的ですね。
元刑事のグリーンの過去同僚だった婦警がレギュラーキャラとなったり、サーカス団員だったブルーと同じ団員のストーリーが組まれるなど、キャラクターの掘り下げも多く行われています。
敵サイドも、途中から宇宙を放浪するバンリキ魔王がベーダーとは別勢力として登場し、ドラマが繰り広げられます。
基本は一話完結型ですが、デンジマンは大人が見ても楽しめるような工夫を感じますね。

ちなみにデンジマンも東映版スパイダーマンから続くMCGとの契約作品です。
マーベル感はほぼ無く、調べてみた所、ヘドリアン女王にマイティ・ソーのヴィラン"死の女神ヘラ"のデザインが使われているそうです。
確かに、頭の特徴的な角に類似性がありますね。
ただ、東映はこのとき、MCGとMARVELキャラクターを3年間使っていいという権利を得ていたはずなのに、こんなこっそりした使用で良かったのだろうか。
変に東映版アイアンマンみたいなのが作られていればスーパー戦隊の歴史は途絶えていたと思うので、結果良かったとは思うのですが、少しもったいないような気もします。