空

ナルコの神の空のレビュー・感想・評価

ナルコの神(2022年製作のドラマ)
3.7
韓国人麻薬王を検挙するという韓国政府の極秘作戦に参加することとなった民間人実業家の、実話を元にしたストーリー。
麻薬組織に潜入している主人公が民間人というのが特徴。

この民間人目線でストーリーが進行し、潜入モノの醍醐味であるいつバレるのかという緊張感と、この主人公が潜入捜査官ではなく実業家なので、金儲けのために麻薬組織側に寝返るんじゃないかと視聴者に思わせるという、他の潜入モノにないハラハラ感が斬新だった。

実話ベースらしく映像表現は極力抑え、説明セリフ、説明ナレーションも多く、ドキュメンタリータッチな描き方。北朝鮮の工作員として北朝鮮に潜入した元軍人を描いた名作『工作』の監督と脚本家というのもあり、社会派実録派映画・ドラマが好きな人は堪らない作品だと思う。

舞台の9割が南米スリナムで、銃規制が厳しい韓国では見られない激しい銃撃戦も実物。この銃撃戦シーンのカメラワークとカット割が臨場感あって素晴らしかった。
ただ、緊迫した場面で頻繁に差し込まれる音楽が過剰なのと、人物への手振れありの素早いズームインの演出の多用がちょっと古臭い。

悪役の多いパク・ヘス氏が防弾チョッキを着た正義の人、と同時に劇中自身も潜入として麻薬のブローカー役という、善と悪両方ハマる彼だからこそ、それはそれはめちゃくちゃカッコよかった😆
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