男女が逆転した大奥の世界を舞台にした漫画原作シリーズのseason2。前作に引き続き放送。今回は10代将軍の御世から幕末までが描かれた。
前半は既に映画やドラマ化がなされていたが、後半の映像化はこの度が初。原作は医療篇が終わった直後ぐらいまでしか読んでおらず、個人的にも先を知らないので新鮮な気持ちで鑑賞した。
観てみた率直な印象は、これはNHK以外での映像化は厳しいだろうな～と。
前半の様な分かりやすさは薄く、終盤に向かってジェンダーに対する問題提起の要素が色濃くなっていくのでかなり覚悟を持って作る必要があると思う。
男女逆転というファンタジーからスタートした作品ではあるけれども、物語の進行に従って 男女の立ち位置が逆転した世界→女性優位な世界で男性がトップに立つ世界→男性優位社会で女性がトップに立つ世界 と異なる社会を見せてきたのには唸らされた。男性の数が増えてくると、優秀な女性の登用が阻まれるという現代日本と同じような問題が発生する皮肉。
ただ一番印象的だったのは家茂と和宮のエピソードだ。史実の二人も仲が良かったことで知られるが、まさかあんな大胆なアレンジでくるとは思わなかった。和宮の最終回の台詞は本作のテーマを象徴するような言葉で良かったと思う。
様々な悲劇が演じられてきた大奥だけれども、最後には関わった人達の心の結束の象徴と新しい未来へ向かうための思い出の場所として幕を閉じていく。前向きなラストだった。
