漱石枕流

ハロー、トゥモロー!の漱石枕流のレビュー・感想・評価

ハロー、トゥモロー!(2023年製作のドラマ)
3.4
これはなんと表現したらいいだろう。〝空想科学小説風ドラマ〟か〝アナログティックSF〟か。時代は1970年代風なのに、どこかしら今の時代の電子機器に近い製品がずらりならぶ光景はおもしろい。

しかし私がもっともレトロ感を覚えたのは、物語の本筋だった。月にある分譲住宅を売る。しかも買い手に一度も現場を見せることなく——

こっ、これはまさしく70年代の帰国事業——かの国を〝地上の楽園〟と称して在日韓国人10万人を送り込んだ朝鮮総連の詐欺事業ではないか! と北朝鮮マニアの私は真っ先に思ってしまった。

物語はこれに父と息子の関係を横軸にからめている。というか、ほんとうのテーマはこちらかもしれない。両方とも気になる展開だから、前振りは良い。

にもかかわらず、なかなか物語は盛り上がりを見せない。主人公の手の内を見せてくれないので、すこししびれが切れてしまった。さらに注目の親子関係もオチらしいものがない。もっともここは次シーズンに残しているのかもしれないが。

ビジュアル面では魅力があるのに、ストーリーで損している感じがした。ちょっと残念・・・

[ドイツ語吹替音声+日本語字幕]2023/06/17-27 Apple TV+
漱石枕流

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