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贖罪のdarumaのレビュー・感想・評価

贖罪(2012年製作のドラマ)
4.0
アマプラ滑り込み。黒沢清監督×湊かなえ原作に惹かれて。全5話で主演というかメインが変わります。 蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴、そして小泉今日子。当時はフレッシュというか旬な感じのキャスト、今となっては大御所感が…!全体で一つのストーリーですが単話で完結しているといえばそう(原作が連作短編集。未読)、でも!最後の最後まで観ると絡みが凄すぎて…さすが湊かなえ。超・イヤミスです。

田舎に越してきた大手会社の社員の娘が殺されるところから始まります。そのお母さんが小泉今日子さん。娘の同級生4人が成長した姿を冒頭の方々が演じており、どの方も個性的。そして話が怖すぎる…

1話の蒼井優さんの「フランス人形」、同僚役で松本まりかさんが出てました!(驚)声でわかった。
蒼井さんはフランス人形姿が似合いすぎ。森山未來さんが若い。

個人的には3話の安藤サクラさんの「くまの兄妹」、井之脇海くんが出てるので本作を観たのもあったのですが、テンション上がりまくった!!
まさかの!サクラさんと兄妹…と言っても過去の姿なので、同時には出て来なくて(年齢関係がおかしい、笑)
黒沢清×井之脇海は映画「トウキョウソナタ」なんですが、もう完全に思い出しちゃうよね!この頃の海くんはほんと可愛い…可愛いしか出てこない。でも癖が無くてとてもいい演技。
で!成長すると、加瀬亮さんになるんです。
そうか。そうなのか…(わからんではない)
あと、奥さんが内田慈さん。もう頭の中がごちゃごちゃ…(笑)
とにかくこの話はキャスティングがツボすぎた!!
ストーリー的には、わからんではないが、麻子さんの反応がちょっとよくわからないといえばそうだった。(いや、わかるけど…そんなに怒る?この話だけ、何故そんなに気が触れたのか)

次、4話の池脇千鶴さんの「とつきとおか」。これは、うひょーって感じ。わかりすぎる…嫉妬がテーマかな?(どれもそうだと言えばそう。イヤミスって基本、嫉妬ですよね。)伊藤歩さんがお姉ちゃん役です。
ちなみに子役で柴田杏花ちゃんが出ていることに1話のエンドロールで気づいて、4人のうちの誰なんだろう…(顔がわからない)と思っていましたが、4話の彼女でした。大きくなると池脇さんになるのか。

(詳しく書かなかったけど2話の小池栄子さんの「PTA臨時総会」もよかった。これが一番わかりやすい話かも?個人的には共感できた。学校ネタなので、ちょっと怪物みがあります。サクラさんじゃないけど)

最終話が主演の小泉今日子さん。
娘を殺したのは誰なのか…って話なんですが、演じてる人が!!
1話から後姿と声(?たぶん声もだったと思うんだけど)だけ出てきていて、でも確かクレジットには出ていなくて…大森南朋さんかな?と思いながら観ていましたが、全然違いました!
そう来たか…似合いすぎてた。
あと奥さん役、この方が唯野未歩子さんか!

黒沢清監督は、画面がちょっと暗い感じなのが特徴でしょうか。
なんていうか…無機質?生気が無いというか。
監督を知った状態で観ているせいは多分にあると思いますが、ぱっと見でも、何となく黒沢作品だってわかりそうな画です。
ここに湊かなえを当てようと考えた人、天才すぎないか…
めちゃくちゃ合ってたと思う。
劇伴が話(回)によってこれまた特徴的なんですが、ちょっと喜劇チックな曲がかかったりするんですよね。めちゃくちゃスリラーとかホラー系の話なのに(スリラーは合ってるか!)。そういう所に人間の可笑しみを感じさせるというか、そういうのがほんとうまいなと思います。

そして冒頭にも書いたように、絡みが凄かった!
ちゃんと1話、2話、3話、4話のエピソードにも最終話に繋がる意味がある。
そのオチというか、トラウマが。
何故、大人に成れていないのか。
兄妹を扱っていたり。
不倫していたり。
ただ単に登場人物が順番に出て来るだけじゃないです。

面白かったです。5人の競演を見るだけでもおすすめ。
(ただし、イヤミスが好きな方向け…不快感は間違いない、笑)
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