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神の子はつぶやくのdarumaのレビュー・感想・評価

神の子はつぶやく(2023年製作のドラマ)
4.1
ちょっと言葉が出ない…戦争を感じた。宗教と戦争って似てる、洗脳という意味で…当事者の誰が悪い訳でもない、なるべくしてなってしまった。信仰している人、していない人、その子ども、脱しようとした人。あらゆる角度の人が出てくるのが絶妙。背景が貧困なのが辛すぎる。

縛るの、なんかわかる気がしてしまった…最初はギュっとされたい、抱きしめられたい感じかな?と思った。許されたくて、だったけど、でもきっとそんな意味も入っていたんじゃないかな?自由は不自由を体現していて凄かった。何も無いより不自由な方が安定なのがわかりみが深すぎた。

とにかく脚本がめちゃめちゃよかった…最初は「星の子」みたいな感じかな?と思ったけど、両親ともにではなく母親だけ入信、しかも悪意はないが父親の楽観的視点が原因、妹の存在理由が宗教がなければ生まれていない、故に母しか頼れない、その妹と姉との立場の差…全てが絶妙すぎる。

タイトル通りまさに子どもの視点が絶妙すぎた。悪意のない先生の一言で彼女は傷ついた。多少疑問を感じていたって、誰だって自分の親を悪く言われると悲しい…その親から生まれた自分自身が否定されたような気持ちになるのかもしれない。そして生きる為には保護してくれる存在が必要。

脚本が連名で、川恵実さんはテレビマンユニオンに参加された経歴を持つNHKディレクター、野田慈伸さんは劇団、柴田岳志さんがメイン演出でNHKのディレクター、作品歴が熱い。

劇伴が「透明なゆりかご」に似てる…?と思ったらやはり同じ清水靖晃さん!好き!演出も柴田岳志さんで同じ!演者は酒井若菜さんがめっちゃ良かった(合ってた)と思ったら彼女も出てた!(母親役既視感これか!)

(余談:「お別れホスピタル」もこのメンツなんですけど…!!(歓喜)
演出が柴田岳志さん、音楽が清水靖晃さん。
マジで岸井ゆきのちゃんのドラマ、楽しみすぎる!!)

ドキュメンタリーの音楽も清水さんがご担当なのか!
逆順になっちゃったけど、観る!(ちゃんと録画した!)
(本作はNHKスペシャルで放送された宗教2世シリーズの一環として作られたドラマ。前週にドキュメンタリーを放送していました)

河合優実ちゃんのwikiに憧れの役者は森山未來さんとあって胸アツ。彼女はやっぱり圧倒的だな…と思って観ていたけど、最後の最後に妹の存在がめちゃめちゃ大きかった。根本真陽ちゃん、彼女も「透明なゆりかご」に出てなかった…?と思ったら、やはり!この子は来るね…「エルピス」でチェリーさんの少女時代をやってたのか!(言われてみれば)

ドキュメンタリーも観た。まさに答え合わせのようだった。
ドラマを観て感じた事、すべてをナレーションが語っていた。

余談)昔、夫が休日勤務で、自分一人で子どもを大規模公園で遊ばせていて、宗教の勧誘にあった事があります。当時はとても忙しく充実していたので、ふら~っと誘いに乗ってしまうような感じではなかったけれど、狙われる位にはボーっとしてたんだなと思って、怖かった。基本的に悪意のない誘いはめちゃくちゃ怖いです。その人にとってはそれが正義以外の何物でもないのだから。
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