ウシュアイア

救命病棟24時 第5シリーズのウシュアイアのレビュー・感想・評価

救命病棟24時 第5シリーズ(2013年製作のドラマ)
3.9
フジテレビ制作の医療ドラマの金字塔の第五作。

医療ドラマは割と見る方だが、このシリーズを観たのは第五作が初めて。リアルタイムで少し観ていたが、今月9(医療ドラマは火曜のイメージだが)で放送中のPICUを見て、一昔前の作品との比較観るのも面白そうと思いFODで一気見。

本シリーズは第4作までは江口洋介演じるスーパードクター進藤先生の活躍を描く作品だが、松嶋菜々子演じる第1シリーズのヒロインで研修医だった小島楓が主人公。登場人物は楓以外はほぼ入れ替わっており、別のドラマもしくはスピンオフのような印象。

医者が主人公の医療ドラマの主人公というと、スーパードクターか新人の医者が相場だが、スーパードクターまではいかないにせよ、それなりにソツなく仕事をこなせ、現場のチームリーダー的ポジションの中間管理職が主人公ということで異色の作品かもしれない。

部下の挫折や葛藤へのフォロー、上層部と現場の間の板挟み、他の部署との連携など、主人公は広い視野で対応しなければならず、ある程度歳を重ねないとこうした主人公の葛藤に共感しづらいところがあるかもしれない。

主人公を含めて他の作品と比べて分かりにくいところもよい。院長(段田安則)と看護師長(安寿ミラ)の思惑はどういったところにあるのか分かりにくく、分かりにくさにリアリティを感じる。現実って、他人の思惑なんてそう簡単に分かるもんじゃない。

スーパースターがいるわけでもなければ、チームに強い求心力があるわけでもなく、かといって一人一人の能力が低いわけではない、どこにでもありそうな組織の話でありながらも、うまくドラマにまとまっていたと思う。

ナースのお仕事、医龍、救命病棟24時と何作もシリーズ化されている作品もあり、やはり医療ドラマといえばフジテレビ。
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