ウシュアイア

黒革の手帖のウシュアイアのネタバレレビュー・内容・結末

黒革の手帖(2004年製作のドラマ)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

山本陽子版がないので併記。

山本陽子版 ★3.6
米倉涼子版 ★3.9

(ストーリー)
銀行の支店勤務のOLの原口元子は、勤務先の架空名義口座の情報を手にして、巨額の金を横領の後、銀座のクラブのママに転身し、裏社会の大物を手玉に取り、昇り詰めようとする。


主人公のやっていることは横領と脅迫なのだが、相手は裏社会の悪党であるため、ビカレスク・ヒロインの物語になっている。銀行窓口の女子行員という男社会の末端にいる主人公は、汚いやり方とはいえ社会の理不尽と戦っているという見方もできる。やり方が悪く仲間がいなかったこともあり、最後は元子は敗北するのだが、中岡市子のエピソードで結局は女の味方として女を虐げる男への復讐のためではなく、自分の私利私欲のために男に虐げられた女を利用したというところに大きなミスがあった気がする。

米倉涼子版は再起の可能性を残してトンずらして闇に消えるオチだったが、山本陽子版は完全に救いのない破滅で終わる。山本陽子版は後味は悪いが、不条理を訴えるという部分ではこの終わり方もアリだと思った。

キャストは甲乙つけがたいところだが、米倉版の山本陽子と山本版の小沢栄太郎は断トツの存在感。
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