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デクスター シーズン3のTLsのネタバレレビュー・内容・結末

デクスター シーズン3(2008年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

デクスターの正体が露見するかもしれないという作品の確信にせまったシーズン2を超えてくる面白さだった。デクスターの良き理解者であるミゲルの登場が要因だと思う。というのも、ようやくデクスターの裏の顔を知る味方が出てくるというこれまた新しいストーリーの構築の仕方が良かった。

このミゲルとデクスターの深い交流を通じて善人が悪に落ちていく『ブレイキング・バッド』的な楽しみやデクスターが作り上げられる過程を見る楽しいを感じることができる。『ブレイキング・バッド』的な楽しみとは真面目・清廉潔白な人間が悪人に変貌する一種の開放感を楽しむものであり、ミゲルがデクスターを受け入れ、ついに一線を越えてしまうところにその開放感を感じた。人にナイフを付き立て恍惚の表情を浮かべる彼に達成感のようなものを感じた。この一線を越えるまでの過程がハリーがデクスターにしたことの再現となっており、改めてハリーが持つ異常性、デクスターが持つ徹底的な遵法(ハリーの掟)主義が見れて良かった。やはり、デクスターの持つ魅力は掟を徹底して守るところにもあると思うので前シーズンのイレギュラーが多かった点と比べるとシーズン1の雰囲気が戻ってきたようにも感じた。

また他のキャラクターも公私共に面白い展開があり、その点は非常にドラマシリーズっぽい所であるが、清涼剤のような役割を果たしているのであまり暗い気分にならないのも良い。シーズン3にもなると他のキャラクターにもスポットが当たることが増えこれからのデクスターとの絡みもたのしみである。

このシーズンでようやくデクスターはリタと結婚し、子どもも生まれるということでいよいよ父親という新しいステージへと進むが長い間彼を見守ってきた者としては非常に嬉しかった。このドラマはどこかデクスターの成長を楽しむ父性的な要素も含まれているのでドラマの主人公の作り方としたは非常に適しているものとなっていると思う。いったん次シーズンは間を空けてみようかと考えていたがこのまま視聴することにした。
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