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イエローストーン シーズン1のTLsのレビュー・感想・評価

イエローストーン シーズン1(2018年製作のドラマ)
4.0
1シーズン丸々豪華に使った壮大な序章。雄大な大自然とそこに潜む危険を対比にして描いているため映像とは裏腹に気を抜けない映像体験ができる作品。テイラーシェリダンが制作、監督、脚本を担当しているため彼の作品が好きな方は楽しめるがそうでない方は少し退屈に感じるかもしれない。

このドラマの特徴は登場人物がほぼ均等の出演時間を持っているところにある。もちろん主人公はケビン・コスナー演じるジョン・ダットンなので彼と彼の家族を中心に物語は進行するが家族それぞれが独立したストーリーを持ち家族全員が印象に残った。また土地を開発しようとするダンや土地を虎視眈々と狙うネイティブアメリカンの部族長のトーマスなどにもかなり出演時間を割いており、このキャラ影が薄いなーと感じることはなかった。

主にストーリーはジョンが保有する広大なイエローストーンの土地をめぐってダンやトーマスと争っていくという内容ではあるがこのシーズン1では直接的な争いはなくそれぞれが水面下に向けて争いに向かっていくといった内容になっている。なのでこのシーズンではその地に生きる人々の暮らしぶりが主に描かれており、大自然が持つ美しさや脅威についての話が多い。特に新人カウボーイ、ジミーを通してその土地独特の風習であったり、カウボーイの暮らしがわかるようになっている。また、このシーズンはあくまでも序章なのでダットン家の人物像に触れる回がほとんどでたった9話という話数でかなり彼らに感情移入できるとうになっている。

またテイラーシェリダンらしく『ウィンド・リバー』のようなネイティブアメリカンと白人という構図や、『ボーダーライン』のような構図が見られたりと彼の作品のファンなら納得できる要素が多い。そしてなんといっても彼の作品で観られるのは銃のこだわりであり、ここに述べた映画群でも登場人物のつかう銃器にこだわりが見られる。このドラマでも例外ではなく暗視スコープ付きのライフルや元軍人の銃の扱い方であったり、一瞬にして命を奪う怖さ、土地が広大な故の銃撃戦に発展しやすい緊張感などが見られる。

テイラーシェリダン制作のドラマということで見たが予想以上に彼らしい作品だった。またドラマとは思えない広大なロケーション、絵作りなどはドラマ視聴中、旅行に行ってるような感覚になるほどなので是非日本上陸の際は見てほしい。
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