めしいらず

黒井戸殺しのめしいらずのネタバレレビュー・内容・結末

黒井戸殺し(2018年製作のドラマ)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ミステリ史に残る問題作であるアガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」を、三谷幸喜が日本に舞台を移して翻案。極めて原作に忠実なドラマ化だった。舞台設定や役者演技の大時代的な味付けが如何にも”本格ミステリ”的でありファンを大いに楽しませてくれる。野村萬斎のユニークな”ポワロ”像は原作イメージにも重なるものである。肝心のトリックについてはその性質上、非常に映像化しづらい類いもの(その点で映像化向きな「オリエント急行殺人事件」と対照的)であるから、真相の驚愕性を十分に担保することが難しく、それについてはやはり原作に及ばないけれど、可能な限りそれに近づけられるように気を配って演出されていたのが見えて好印象。”犯人”も巧妙にそれに応えている。おっと、ミステリの真相に触れるはご法度。要らぬことは言わぬが華である。久々に良質なミステリ劇を観られて大満足だった。傑作!
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