次郎

ベター・コール・ソウル シーズン5の次郎のレビュー・感想・評価

4.8
キム…ナチョ…!
ジミーとマイクの物語が合流すると同時に、導火線に火が着いたかのような不穏さが爆発するシーズン5。とにかく前シーズン終盤に初登場したラロが怖すぎる。サラマンカ一族の血を継いだ凶暴さと、ガス様とも渡り合える知性を併せ持った過去最強のキャラクター。それがメインの登場人物、ほぼ全員と敵対関係にあるのだから緊張感が凄いし、同時に嫌になるほど魅力的でもある。
遂に主要人物全員が“関係者”となり、誰もが引き戻せない道へと至る中、EP8でマイクによって語られる決定的な言葉。果たして、彼らにGood Choiceを選ぶ道は与えられていたのだろうか。Bad Choice Roadへと至る道はその遙か前から続いていたのであり、その決断は必然として現れる。BCSの登場人物の多くは苦悩し続けてきたが、それは翻ってこれまでのエピソードの積み重ねが人間を描いてきたことの証明でもある。次のシーズンでいよいよ完結、定められた未来の物語と接続する。

そして物語の盛り上がりと呼応するかのように、撮影についても更なる高みへ。終盤における画面構成の美しさや映像のキメ具合も過去最高で、そんな中車からヌッと出てくるラロのお顔は3度見した。あれ怖いのに面白過ぎる。
次郎

次郎