次郎

マスター・オブ・ゼロ シーズン1の次郎のレビュー・感想・評価

4.0
ちょうどS1を見終わったタイミングで『ベストセラーで読み解く現代アメリカ』を読んでたら、本作の主演兼制作総指揮官のアジズ・アンザリが紹介されていてびっくり。真面目で優秀なインド系アメリカ人のステレオタイプな出自なのに、なぜか無宗教のスタンドアップコメディアンをやっている彼が執筆したModern Romanceは邦題が『当世出会い事情ースマホ時代の恋愛社会学』というもので、出版されたのは本シーズンと同じく2015年。つまり、そういうことなんだろう。

マイノリティの日常をユーモアたっぷりに描きつつも、取るに足らない現代っ子の恋愛与太話。でも、決してその範疇に収まらない面白さがアジズの才能なんだろうね。小気味良いテンポ感に魅力的な登場人物、重いテーマを軽く見せる匙加減、そしてダメだけどいい奴な白人男性、アーノルドの魅力が何より最高。自分も辛いことがあったらアーノルドにハグしてもらいたい。
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