あまね

ゆうべはお楽しみでしたねのあまねのネタバレレビュー・内容・結末

ゆうべはお楽しみでしたね(2019年製作のドラマ)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ドラクエ10で知り合った二人がルームシェアし、距離を縮めていく恋愛物語。

オンラインゲーム(ドラクエ10)の世界で知り合ったみやことたくみは、ひょんなことからルームシェアをすることになる。
二人のキャラは中の人と性別が逆で、いわば男女逆転した状態。
イケメンの「ゴローさん」の中の人はギャル(みやこ)。
可愛らしい「パウダーさん」の中の人は冴えないオタク男子(たくみ)。
ルームシェア初日、待ち合わせ場所に現れた「ゴローさん」を見たたくみは、最も苦手な人種(ギャル)との接近遭遇に完全に尻込みしてしまう。
果たしてこのルームシェア、うまくいくのだろうか――。

ドラクエ10が舞台のドラマだけあって、あちこちにドラクエが出てくる。それが可愛い! ゲーム画面や音楽も出てくるので、そのたびにほっこりした。
台詞にもドラクエやゲーム関連の話題が盛り込まれてくるが、これはちょっと無理やりかな、と笑。とはいえ、そういう物語なんだと思えばこれも味わいだ。

物語はとにかく可愛い。二人のすれ違いや距離が縮まっていく感じ、ゲームを通した無邪気なやり取りがひたすらに可愛い。
ギャルとオタク。住む世界が全然違うし相性も合わなさそうなのに、大好きなものが一致しているから、大切なところはちゃんと噛み合ってる二人にほのぼのしてしまう。

物語のテンポもとても良く、さくさくと距離が縮まっていくのでさらりと見ることができた。

すれ違ったり、こじれたり、障害があったり、とったとられたと揉めたり……といった恋愛ドラマにありがちなドロドロはない。
そういった『波乱』は飛び込んでくるものの、引っ張ることなく適度なところで乗り越えて二人の絆が結ばれていくのは、ドロドロ恋愛苦手マンにはちょうど良かった。
みやこの元彼が登場したり、みやこの親友がたくみにアプローチしたりと王道の『障害』がお約束通り降ってくるものの、お約束通り二人はそれを跳ねのけていく。
苦悩や葛藤を引っ張りすぎないため、二人の可愛さを堪能しつつ、王道の流れに頬を緩めていられる。
それでいてどんどん近づく二人の距離に違和感はなく、惹かれるべくして惹かれるんだよなぁなどとこちらも幸せな気持ちになった。

男女逆転キャラの二人だが、見れば見るほど、それぞれのキャラがしっくりくる二人。
ゴローさんであるみやこは、やっぱりゴローさんで。男前で面倒見がよくて気風が良い。
パウダーちゃんであるたくみは、やっぱりパウダーちゃんで、可愛くて優しくて周りを穏やかな気持ちにさせてくれる。
二人の関係のみならず、キャラと中の人の関係もとても丁寧に描いてくれているのが、とても嬉しかった。

全6話の短いドラマで、ゲームを題材にしている可愛い恋愛物語。
あたたかく幸せな気持ちになり、二人の可愛さにただただほっこりした。
あまね

あまね