山岡

スタートレック:ヴォイジャー シーズン3の山岡のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

シーズン3では、シリーズ開始当初から続くケイゾンとの戦いに決着がつく。知能や文明が高度なのか低いのかよくわからないケイゾンという敵に全く魅力を感じていなかったので、彼らが退場してくれたのは非常にありがたかった。

代わってメインヴィランとして現れたのが、TNGでピカード達をさんざん苦しめた、宿敵ボーグ。EP16 「消えた村の謎」でチャコティがボーグの痕跡を見つけ、続くEP17「ボーグ・キューブ」ではウルフ359の戦いでボーグに同化された地球の人々との交流が描かれる。そしてシーズン最終話ではボーグ領域を安全に突破するため、ジェインウェイは彼らとの同盟を模索する。EP16でボーグの存在が示唆された時は非常に興奮したし、ケイゾンより遥かに魅力的なヴィランであるボーグ登場回はいずれも一定程度の面白さが感じられた。しかし既にTNG本編や映画『ファースト・コンタクト』で何度もボーグとの戦いが描かれたことにより、初登場に感じられたボーグという存在の得体の知れない魅力はかなり薄れてきており、やや食傷気味な感もある。今後はTNGの焼き直しでなく、ボイジャーならではのボーグとの関わりを示してほしいと思う。

ボーグ関連以外のエピソードで最も印象に残ったのはやはりEP21「9歳のケス」だ。9歳になった死に際のケスが『ベンジャミン・バトン』のように記憶を持ったまま時間を遡っていく話で、なんと最後は受精卵の時期まで遡るというイルなエピソード。この手の時間の経過を使ったロマンティックなエピソードはスタートレックの十八番と言えるだろう。

その他印象に残ったエピソードは、歴史修正を批判したEP6「偽善者の楽園」、ドクターが家庭を持ち、子の死まで看取ったEP22「ドクターの家庭」
辺りか…。

どのエピソードも一定程度の面白さはあるのだが、“ボイジャーらしさ”がいまいち見えてこないのがこの作品の歯がゆいところである。

TNGでもDS9でもない、このシリーズならではの面白さが現れてくることを期待したい。
山岡

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