山岡

スタートレック:ヴォイジャー シーズン4の山岡のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ケスが降板し、ボーグのセブン・オブ・ナインがクルーに仲間入り。さらにアルファ宇宙域の宇宙艦隊との初めての通信という感動的なイベントが印象深いシーズン。

セブン・オブ・ナイン(セブン)はTNGのデータ少佐のように人間性を徐々に深めて分かりやすく成長していくキャラクターで、ドラマを生みやすい存在である。そして同じくTNGのカウンセラー・トロイのような、いや彼女以上にタイトなスーツを着せられたセクシー要員としての役割も担っている(魅力的なヴィジュアルだが、余りにもボディラインを強調し過ぎており、役者が少し気の毒になるレベルではあるのだが)。半ばクビのような形で交代となったケスは少し可哀想ではあるが、他のシリーズと比べて地味だったヴォイジャーというシリーズのカンフル剤として申し分のない活躍を見せてくれたと思う。

そしてついにEP14ではアルファ宇宙域との初めての交信が行われる。EP15,EP26とその続きのエピソードが描かれるものの、今のことろヴォイジャーの旅に大きな影響はもたらすことはできていないが、EP14はシリーズの一つの頂点と言えるような感動的なエピソードである。

個人的に気に入ったのは次のエピソード。
EP4「ヴォリ防衛隊第4分隊」
チャコティが降り立った惑星でヴォリ防衛隊という軍隊に入れられ、徐々に士気を高めていくが、戦士養成のためのプログラムにコントロールされていただけだったというもの。自分の常識だと思っていたものが、人工的に植え付けられたプロパガンダかもしれない恐怖をわかりやすく描いている。醜い見た目のクレディ人が実は悪ではなかったという展開はとてもスタートレックらしい。

EP14「プロメテウスの灯を求めて」
前述した、アルファ宇宙域と初交信を行うエピソード。久しぶりのロミュラン、宇宙艦隊との遭遇に大いに感動させれた。しかもこんな重要なエピソードで、あえてスラップスティックなコメディ展開を見せてくれるのが、とてもクール。また、ドミニオンについての言及があり、DS9との連続性も密かに感じることができた。

EP23 「700年後の目撃者」
700年後の世界、ヴォイジャーを悪の枢軸とする歴史を語り継いでい星に、我らがドクターのバックアッププログラムが現れるというエピソード。まず、700年後の世界という設定がのしかかってくる冒頭の展開からグッとくる。ホログラムであり、クルーでもあるというドクターの特殊な設定を活かした物語であることも興味深い。そして何といってもこんな壮大なスケールのエピソードで歴史修正というリアルでハードなテーマを描くのが、まさにスタートレック魂。

以上のように、傑作エピソードが少しずつ現れ、さらにシリーズ的にも盛り上がってきている感はあるが、それでもTNG、DS9のような決定的な魅力に欠ける気がする。シーズン5以降、さらに面白くなってくれるといいのだが。
山岡

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