山岡

スタートレック:ヴォイジャー シーズン5の山岡のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

これまでのシーズンと同じく全く興味が持てないエピソードも多く、TNG、DS9と比べて見劣りするシリーズであることには変わりない。しかし、セブンオブナインを軸に、傑作エピソードを多くものにしている点はこれまでのシーズンとの大きな違いと言える。

ボーグ関連、セブン関連で印象的だったのが、次の2エピソード。

まず、EP2「新生ボーグの悲劇」。
TNGのS5-EP23「ボーグ”ナンバー・スリー”」のように無垢なボーグが人間世界と関わりを持つ中で人間を理解する変質していく希望に満ちた回でありながら、同じくTNGのS3-16「アンドロイドのめざめ」でデータがアンドロイドのラルの誕生と喪失を通じて成長しいった物語のハイブリットにもなっている。ラストシーン、どう考えても泣いてるのに泣いていないセブンの表情が感動的。

そしてEP15「ボーグ暗黒フロンティア計画」。
『ファーストコンタクト』に登場したボーグクイーンが登場(俳優は別人)し、セブンをスカウトする話。映画にドラマに登場し過ぎてややネタ切れの感があったボーグものにセブンを噛ませるだけで一気にスリリングになることを証明した回。セブンの両親がボーグに同化される流れについても丁寧に描いていたのが印象的だった。

ボーグ以外のエピソードだと、EP6 「過去を救いに来た男」が傑作だった。タイムスリップ自体はスタートレックの中でもお決まりの定番ネタだが、未来のヴォイジャークルーを物語の中心に据えたところがユニーク。長年の後悔の念を持ったキムとチャコティの年輪を重ねた姿、表情が素晴らしくドラマティックな効果を生んでいる。久しぶりのTNGジョーディの登場も嬉しかった。

シーズン4,5と少しづつではあるが勢いづいている気がするシリーズ。シーズン6,7ではついに地球に帰ることができるのだろうか…これからどんどん面白くなっていきそうな気配がする。
山岡

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