山岡

24 -TWENTY FOUR- シーズン2の山岡のネタバレレビュー・内容・結末

24 -TWENTY FOUR- シーズン2(2002年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

シーズン1で大統領の暗殺を阻止したジャックの次なる仕事は対爆弾テロ。前半ではイスラム系過激組織によるロスを狙った核爆弾を使ったテロを阻止し、後半ではそのテロ行為への報復を巡る陰謀と戦う。

まず前半だが、「ジャック(およびCTU)が爆弾テロに立ち向かう」というメインプロットと同時に「ワシントンにおける大統領に対抗する勢力との戦い」「ワーナー家の結婚式当日のトラブル」「ジャックの娘キムがDV男に追われる」という3つのサブプロットが進行する。この手法はシーズン1でも見られたものだが、前シーズンでは大きなサブプロットはパーマー絡みとバウワー母子絡みの2つであったのに対し、シーズン2では3つに増えている。しかもそのうちの1つのキムの逃亡劇はメインプロットと一切関わりがないため、非常に煩雑な印象を受けた。ただ、メインプロットの部分はネタがネタだけに前シーズンを超えるスリルがあり、最高に面白かった。潜入捜査のためとはいえCTU爆破に加担させられるバウワー、そしてテロの協力者としてニーナが現れる展開は前半のハイライト。また、ワーナー家のマリーがテロの実行犯という展開もなかなかのサプライズだった。そして爆弾投下作戦のためジャックの代わりに身代わりとなるメイソン…完全にバレバレの展開ではあったものの、風見鶏の小役人だった男が最後になけなしの勇気を見せる流れは涙なしでは見られなかった。

そして爆弾テロ後のアメリカを描いた後半。ここではテロ組織を支援している中東の3カ国への報告攻撃が主題となる。「ジャックによる証拠探し」「ワシントンにおけるパーマー大統領下ろしの陰謀」という二つのプロットが相互に絡み合いながら展開しており、前半以上に見応えのある内容となっている。特に最後の2話の畳み掛けるように次々とジャックに試練が与えられる展開は圧巻。そしてキムは相変わらずロサンゼルス近辺をうろちょろしており、完全に邪魔者と化していた。

正直、大統領下ろしやテロの関連性があまりにも複雑で少しわかりにくいところもあったが、後半の畳み掛けるような怒涛の展開が素晴らしく、楽しいシーズンだった。そしてシーズン1以上に911テロを思わせる展開が多かったことも特徴と言えるだろう。特にCTU爆破を報じるニュース映像、敵が中東系のテロ組織であること、在米の中東人に対するバッシングや暴動…当時のアメリカ人視聴者にとってのリアリティ計り知れないものがあったと思う。そして、不確かな証拠をもとに開戦を進めようとする政府の動きは後のイラク戦争を予感させる展開でもあった。

衝撃のクリフハンガーで幕を閉じたシーズン2。次のシーズンもすぐに一気見したい。
山岡

山岡