山岡

十角館の殺人の山岡のネタバレレビュー・内容・結末

十角館の殺人(2024年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ストレートに原作に挑戦し、かなりの部分で成功している作品。あの映像化不可能トリックを真正面から表現し(漫画版と同じ方法ではあるが)、成功しているのは見事としか言いようがない。映像も80年代末の風俗を再現した美術や画面の質感など通常のテレビドラマを超えたクオリティとなっており、原作の格調を全く落としていない。さらに、青木崇高演じる『探偵物語』の工藤ちゃんのような佇まいの島田潔もかなりハマっているのも大きなプラスポイントだと思う。

このドラマ、原作未読の人にとっては犯人当てとサプライズが楽しめるし、原作を読んだことがある人は、奴の正体が原作未読の視聴者にバレるかもしれないという緊張感と戦いながらの鑑賞となり、ある種のサスペンス映画を見ているときのような快感を味わうこともできる。

前代未聞のトリックを映像化するための副産物として、一部のミス研メンバーの演技にやや難があるものの、それを差し引いても、かなり見応えのあるものとなっていると思う。
山岡

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