コメディ系と思っていて前々から気になっており、Netflixにあるのを見つけて観始めたら、内容があまりにも深かったです。
ベタなLGBTQ題材ドラマより当事者の立場になってしっかり描かれているので、正直内容は理解し切れなかったです。主人公の考えていること、行動が所々よくわからなかった。
実際に見たこと聞いたことがないからという理由で自分のまわりにはいないと断定し、無意識に決めつけをすることや、型にはめずにその人自身を理解することを放棄してしまうことが、こんなにも残酷なことなんだなと思いました。
家族の話や容姿のことのように、褒めているつもりであっても何気なく言ってしまった一言が、その人を深く傷つけてしまう可能性があるということを深く実感するドラマでした。
この作品が良いと思ったのは、「腐女子=ゲイを理解している」訳ではないことをしっかり描いているところです。腐女子は「別世界のファンタジー」というエンタメとしてのBLが好きなだけであって、エンタメで完結している人が多数なので、このドラマのように理解しているようだけどゲイの人々を傷つけてしまうということがあると胸糞悪いほどにきちんと描いているのが、最近よくあるこういう類の作品とは視点が違い、しっかりリアリティを映し出した良作だと思いました。
"腐"の押し付けはゲイの人でも、そうでない人にも強要してはダメですね。日本のヲタ文化は広く受け入れられているのと、最近は気持ち悪くあることが立派なヲタクの証とされている節があるので、そういう側面を前面に出してしまいがちですが、自分のまわりの人間にまで押し付けないことや時と場とモラルはしっかり守るべきだという本当に根本的なことを、界隈は違いますが一オタクとしても注意しなくては、と改めて考えさせられました。