うにたべたい

仮面ライダーXのうにたべたいのレビュー・感想・評価

仮面ライダーX(1974年製作のドラマ)
4.2
巨大な悪の組織GODに参加を迫られた海洋科学者「神啓太郎」教授は、それを拒否したため重症を負わされ、息子の「神敬介」も殺害されてしまう。
瀕死の父の手によってカイゾーグ手術を施され仮面ライダーXとして甦った敬介は、敢然と謎のGOD機関を相手に戦うのである!

仮面ライダーシリーズの第3作目。
初代に続く形で始まったV3とは違い、番組開始時点でV3とのつながりはないです。
ただ、かなり後半になって1号、2号ライダーとV3、ライダーマンも登場し、5人目の仮面ライダーとして悪と戦う姿が見られます。
時系列としては繋がっているので、過去作を見ていた方が盛り上がれると思いますが、話としては独立しているので、本作からでも楽しめます。
一応、本編では語られないですが、神啓太郎は緑川博士、そしてGODへ勧誘した呪博士は友人であり、緑川博士をショッカーに引き入れたのも呪博士である。
ショッカーで働かされていた緑川博士と神博士は連絡を取り合っていたため、仮面ライダーの設計図は同種のものであるという裏設定があります。
また、タヒチに流れ着いた瀕死のライダーマンを救ったのも神博士という設定がHERO SAGAにあるので、併せて読むと楽しいですね。

ライダーマン同様、昆虫がモチーフになっておらず、デザインイメージは"メカニカルな仮面ライダー"だそうです。
そのイメージ通りの銀の仮面に黒マフラー、ライドルという棒状の武器を振りかざしていて、個人的には昭和ライダー中では、ライダーマンと一二を争うかっこいいデザインのライダーだと思います。
片手を大きく前に出して距離を測りながら戦う姿はスマートで、後ろにいるものを守ろうとする頼もしさを感じます。
ただ、V3で大きく牽引した変身ヒーローブームが巨大ロボットヒーローアニメに取って代わっていた時期ということもあり、35話というやや短い話数で終了しました。
ですが、過去作に見劣りするというわけではなく、ファンの多い作品だと思います。

序盤は『弟切草』で著名な長坂秀佳氏が脚本で、やや大人向けな展開です。
敬介の婚約者だったはずの「水城涼子」の裏切り、涼子と同じ顔の謎の女性「霧子」の登場、GODを追いかけながらも涼子・霧子に翻弄されるドラマが描かれます。
神話をモチーフにした怪人も特徴的なのですが、子供受けは良くなかったらしく、立花藤兵衛が登場し、ライダーガールズであるチコ・マコが登場し、コミカルなシーンが増えてゆきます。
そしてXライダーのライバルキャラ「アポロガイスト」が登場します。
アポロガイストは悪役なのですがスマートでかっこよく、Xライダーと幾度となく剣を交えるシーンは本作の名シーンですね。
アポロガイスト退陣後には、巨大ロボット姿の大幹部「キングダーク」が登場します。
また、GOD悪人軍団とXライダーによる、南原博士が開発したRS装置の設計図の争奪戦というストーリーの軸が作られ、先輩ライダーの登場シーンが増えます。
大きく2回のテコ入れがありましたが、どの場面においてもXライダーがかっこよくて素晴らしい作品です。

ちなみに個人的に神敬介と風見志郎の絡みがすごく好きで、志郎を先輩と呼んで慕う敬介と頼もしすぎる志郎が手を組んで戦う場面はすごく盛り上がりました。
そのため、Xライダーは私的には一番好きな昭和ライダーです。
視聴率振るわず全35話となりましたが、他ライダー作品に劣らない名作だと思います。