Masato

ワンダヴィジョンのMasatoのレビュー・感想・評価

ワンダヴィジョン(2021年製作のドラマ)
4.5

メタ的な演出が多い本作。MCUドラマシリーズ一発目にしてはトリッキーで面白い。週イチ配信、なおかつドラマだからこそできる挑戦的な構成。個人的にはこういう演出大好きなので、ドツボ。まあほぼトゥルーマンショーなんだけど。

ミステリアスな世界観とプロットとワンダの悲哀に溢れた過去がうまい具合に組み合わさって、怖さ(ホラー)、狂気、トラウマのなかにある悲しみという、自分の好きな構造が出来ていて好き。

ワンダの過去を描くと同時に、愛するヴィジョンの死のその後を描いたものとして、非常に良くできたものだった。
いくら愛する人がこの世からいなくなったとしても、その失意を胸に前を向いて生きていくしかないというあまりにも切なすぎるテーマが良かった。

ただ、あの匂わせキャスティングからの何もないってのは、今のディズニーの現状からしてMCUファンを弄びすぎじゃないか?って思った。



1話
まだまだ謎だらけの一話目。アスペクト比が変わるの面白い。アスペクト比が変わる演出は流行りなのかってくらい最近よく見るようになった。

2話
黒澤明ばりのパートカラーから、ミヒャエル・ハネケのファニーゲームばりの巻き戻し演出まで、演出が面白い。

3話
話ごとに年数が経過という面白さ。50年代→60年代ときて、今回は70年辺りか?ドラマを再現しているので、カメラワークが基本定点から、クロースアップや斜め方向からのカメラワークなど、普段の演出も多彩になってきている。段々とトゥルーマンショーみたいな感じに。

4話
ついに物語が動き出す。かなりミステリアスな展開と、時点が前後する構成。縦横無尽なアスペクト比。いままでのワンダを見ていると彼女の心情がかなりわかりやすく、彼女らしい物語であることが今回でもわかる。

金正恩がまさかの出演。ザ・インタビューで触れちゃいけないヤツになると思いきや、まさかのDCデビューからのMCUデビュー。大躍進が止まらないランドール・パーク!!

5話
オープニングが完全にフルハウスのそれな80年代テイストのシットコムに。オルセンの二人の姉がミシェルとして出てたから、何故か感慨深いなあ。そして、徐々に崩れていくワンダの世界。最後のはまさか、Xメンとのユニバース結合の伏線か!?

6話
00年代か?DDRブームやハンディカムカルチャーがノスタルジー。

7話
今度は2010年辺り。モノローグをインタビュー形式で映すことで自然な語りとなる演出技法をやりだした年代。
毎話で新事実を出すから結構面白い。

8話
ワンダのあまりにも不遇すぎる人生。インフィニティ・ウォーのときの、ヴィジョンの死の辛さが蘇ってきて、すごく悲しくなる。
そして、ここあたりからドクスト2への繋がりが見えてくる。

最終話
文句なしの最終話。素晴らしい。
Masato

Masato