こたつむり

ホークアイのこたつむりのレビュー・感想・評価

ホークアイ(2021年製作のドラマ)
4.0
後から“じんわり”と来るタイプのドラマ。
ある意味、主人公であるホークアイと同じ印象です。彼も“いぶし銀”のタイプ。『リングにかけろ』で言えば志那虎、『ドラゴンボール』ならば天津飯みたいな感じですね。

あ、いや『ドラゴンボール』ならば。
クリリンのほうが立ち位置は近いかも。

何しろ、ホークアイは超人じゃないですからね。
乱暴な言い方をすれば「ただ弓矢が巧いだけ」の人間です。薬で強化したり、変身したり、神様だったり、不老不死だったりしないのです。

でも、だからこそ、格好良いわけで。
完全無欠のヒーローが勝ってもカタルシスはありませんからね。惑い、悩み、それでも悪に立ち向かう…そんな心意気と覚悟がヒーローたる所以なのです。

しかし、そういう意味では。
本作は少し物足りない部分があります。ホークアイの心情を描いているとはいえ、彼は既に“ヒーロー”ですからね。成長する余地は少ないのです。

ただ、それをカバーするのがケイトの存在。
若くて無謀で少し口うるさくて。でも、間違ったことに間違っていると言える“真っ直ぐ”さと、誰にでも明るく接することが出来る愛嬌を兼ね備えた彼女。そんなケイトが成長する物語と思えば良いのです。

あと、コメディ要素があるのも嬉しい話。
特に“あの”ミュージカルはファンならば必見だと思います。『完全版』を観ると「この人は誰?」的な部分もクッキリと分かり、口角が緩みっぱなしです。うはは。笑える。

また、ゲストである“彼女”も良いアクセント。
というか、やっぱり“あの人”の存在はアベンジャーズにとって大きなものだったんですねえ。確かにオープニングで流れるマーベルのロゴでも“クッキリ”と目立っていますからねえ。

まあ、そんなわけで。
ドラマシリーズの中では敷居が低い作品。
もったり気味の第1話は微妙ですが、徐々に加速していくので鷹揚に捉えた方が吉です。スタッフクレジットを除けば各話40分前後ですし、映画ほど気負わずに臨めるのも良いですね。
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