こころとからだ

主君の太陽のこころとからだのレビュー・感想・評価

主君の太陽(2013年製作のドラマ)
4.1
運命の人かどうか、触れると分かればいいのに、という発想からこの物語をつくりあげたのだろうか。そして運命から逃げるのか、受け入れるのか、それを幽霊という形をとおして面白くラブコメが展開された。

面白いが、もっと見たかった。途中、無理やりな引き延しっぽい時間が長く、少しダレてしまった。最初のころがピークで、徐々にテンションは下がっていったのは残念。

忘れてしまいがちだが、ヒジュの事件なんて真相がうやむやなまま終わったし、父親もあっさり消えた。「あらしのよるに」の絵本も物語に何かヒントを与えるようで、読んだのか読んでないのかはっきりしなかった。

かなり雑だけど、コンブリーとソジソブの魅力だけで、目線を逸らして力技で乗り切った感じ。

さらに、残念な点として、音楽がイマイチなところ。やけに古くさく、大げさな劇中歌が多く、もっと主題歌がハマれば、より視聴者と気持ちが合わさったように思う。

死の太陽という不吉なテヤンなのか、主君の太陽として、落日を防ぐ運命の女神なのか。太陽についても無駄に考えさせられた。

太陽は日食でも起こらない限り、基本的にはいつも丸くて従順だ。だが月は毎日形を変えて現れて、気まぐれ。どちらが、より魅力的なのか考えてしまう。

意外と、お姉ちゃんと口軽男の関係がちょうどいい清涼剤になっていて好きだった。テキーラキスは熱かった。やはり酒からドラマは生まれるし、逆転劇も奇跡も起こせる。

テゴンジルも酒を飲んでヒジュが乗り移り、そこでジュンウォンに信じてもらえて、関係が始まった。酒の力に身を任せてみるのも人生ありなのかもしれない。

小さなテヤンもカンウと結ばれてよかった。スターだけど、なりふり構わず、プライドをズタボロにされても一途にアタックし続ける姿はめちゃくちゃかっこよく、リアルに力をもらえた人もいるのでは。

あなたの水槽に入れてくれたら、餌も何もくれなくても勝手に大きく育つから、みたいな台詞はグッときた。あんなことさらっと言われたら好きになるしかない。愛に正直に、まっすぐバカになれる人はかっこいい。