空

悪の花の空のレビュー・感想・評価

悪の花(2020年製作のドラマ)
3.2
韓国ドラマのサスペンスでたまに見かける、数々のネタを散らばす展開重視型脚本。

謎が謎を読んでハラハラするけど夫婦愛を描くのは中途半端で、サスペンスとしてはご都合主義が目立ち、全体としてストーリーに深みがなく普通に面白かった〜で記憶には残らないのが残念。

主人公が実は刑事の妻が担当する連続殺人事件の被疑者で、この事件を通じて過去と向き合い本当の自分を取り戻していくという素晴らしい設定が活かしきれてない気がした。うーん、勿体ない。

崖に犯人と警察が全員集合→記憶喪失っていうのもまるで昭和のサスペンス劇場😅
未だに需要があるんだな。

唯一このドラマで特に目を引いたのが警察の描き方。
チェ・デフン演じた刑事課長が部下に対しても常に敬語で丁寧な言葉を使い、怒鳴ったり感情的・威圧的になることなく冷静に行動していたこと、ヒロインのジウォンが先輩の男性刑事より階級が上でタメ口で対等に接していたこと。
従来の韓国ドラマに出てくる部下を大声で怒鳴ったり威圧的な刑事が1人も出てこなかったのは時代に沿っていて良かった。

主演のイ・ジュンギさんはカメラワークなど演出次第でサイコパスにも優しいパパにも見える切長の目の持ち主というハマり役だけど、ちょっと演技が堅かった。
このドラマより受賞スピーチの方がナチュラルで素敵だった。
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