いよら

トレインのいよらのレビュー・感想・評価

トレイン(2020年製作のドラマ)
3.5
ユン・シユン主演のパラレルワールドを描いたドラマ。

12年前に起きた殺人事件で父親を亡くした検事のソギョンと、ソギョンをずっと見守り続けていた刑事のドウォン。実はその殺人事件の犯人は事故死したドウォンの父親であり、そのことをずっと言い出せずにいた。そんな中、12年前の事件と同じ手口の殺人事件が起こる。犯人を追う中で12年前の事件の真相にも近づくが、犯人を目撃してしまったソギョンが殺されてしまう。ドウォンは犯人を追い続けるが、廃駅となった駅にいた際、突然電車が現れ、その中にソギョンらしき姿を発見し、その電車に乗り込む。それはパラレルワールドへの入り口だった。そして、その世界でドウォンは生きているソギョンと出会うが…。というストーリー。

A世界とB世界が出てきますが、その二つの世界でのドウォンはかなり違って描かれています。A世界はソギョンに出会った世界。B世界はソギョンに出会わなかった世界。A世界のドウォンは正義感が強いリーダーシップのある刑事。一方のB世界では殺人事件の犯人の息子と明かされてしまったため警察学校出身のエリートではあるものの汚職刑事となってしまっています。そのため表情や考え方、行動がまるで違って描かれています。ドウォンを演じるのはユンシユンですが、この演じ分けはやっぱり上手かったですね。基本的にはA世界のドウォン視点でストーリーは進むのですが、それでもB世界のドウォンと間違うことはあまりありませんでした。そして、頼りになってカッコいいユンシユンも久しぶりに見た気がします。最近、情けない役とかが多かったので…。

サスペンス要素に関してはわかりそうで、真相は最後までわかりませんでした。犯人は怪しそうっていう人物は出てくるんですけどね、真相は意外でしたね。パラレルワールドっていう設定をうまく利用した事件だったのかな、という印象です。

電車で繋がるパラレルワールドという設定は面白いなと思うんですけど、
それぞれの世界を行き来をするわけではなく、ほぼB世界でストーリーが進んでいくので、A世界のドウォンの行動が気にかかってしまうところはありました。自分の世界じゃないところで時を過ごすってどうなの?ってずっと気になってしまって、ドウォンにいまいち感情移入が出来ない部分があります。だから結構B世界のドウォンの方の気持ちの方がわかってしまうというか…。
大切なモノ、守りたいモノひとつだけのために、他の全てを捨てられるのか、っていうことですよね?この場合は世界になるわけですけど。

そこからのラストの展開…。なんかちょっとバタフライエフェクトを思い出しちゃいました。いや、違うんですけどね。見た時の感覚的なところで似てるような気がしてしまいました。
パラレルワールドだからこその展開ではありますが、ドウォンはこれからどうするんだろうと思わずにいられませんでしたね。



今作の注目のおじさまは、、おじさまではないですけど、気になる俳優としてはドウォンの同僚刑事を演じたチョ・ワンギですね。他作品でも見てたようなのですが、ほとんど記憶にはありません。今作ではA世界B世界ともにドウォンの同僚として活躍していて、頼れる存在が良かったです。
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