EDDIE

妖怪人間ベラ~Episode0(ゼロ)~のEDDIEのレビュー・感想・評価

3.9
闇に隠れて生きる“人間になりたい”欲を持つ妖怪人間。人間の悍しい欲望により朽ちていった1人の少女。とある転校生の出現により、次から次に事件が巻き起こる。人間の欲深い陰湿な怖さを感じさせるスリラー。なかなか良作でした。

「妖怪人間ベム」というアニメ。私は子供の頃、このアニメの再放送を幾度となく鑑賞していて記憶にこびりついていました。妖怪人間ベム、ベラ、ベロの3人はともに人間になりたいという気持ちを抱きながら人間と友情を育んだり、妖怪を退治したりしていました。人懐っこいベロがとても印象に残っています。
1960年代の古いアニメですが、2000年代には亀梨和也や杏ちゃん、鈴木福らで実写ドラマ化もしており、長きに渡り愛される作品となっていたようです。

さて、そんな妖怪人間のうちの紅一点ベラが生まれ変わった姿として、今回ドラマ化&映画化が決まったと聞き、興味が湧かないわけがありません。
まだ映画版を観るかどうかは時間との相談になるのでわかりませんが、Amazonプライムで配信されていたので10話完結のドラマ版を鑑賞いたしました。1話あたり25分程度のため、一気見には適しています。

これが思った以上に面白い。英勉やるやんと思いきや、ドラマ版は違う監督のようですね。ネット配信ドラマということもあり自由度があったのでしょうか。結構エグいし、グロい描写も多かったように思います。
だけど、本作は過去の妖怪人間とは異なり、あくまで妖怪人間が人間に姿を変えた梅ノ木坂ベラ(emma)が物語の中心。対するのは問題を抱える女子高生たちということで、妖怪退治の話ではありません。
とはいえサスペンス、スリラー好きな方は結構楽しめるんじゃないでしょうか。

金に目が眩むもの、SNSのフォロワー数にこだわるもの、人に愛されることに固執するもの、受験戦争の最中で成績に必死なもの、過去のトラウマに苦しむもの。
現代で問題に挙がりそうな数あるテーマを一人一人の女子高生が抱える悩みと亡くなった1人の女子高生の復讐心とリンクさせて事件を巻き起こしていく模様がスリルがあってとてもよかったですね。

キャストはベラ役のemmaを除き、主要な女子高生キャスト誰も知りませんでしたが、次世代枠として期待が高まる人もいたので収穫もありました。
過去鶴瓶さんのA-StudioでMCを務めたemmaちゃんを久しぶりにドラマの中で見れたのは嬉しかったですね。妖怪人間の生まれ変わりとして不可思議でミステリアスな雰囲気の美女役として説得力のある役柄でした。
まぁそれにしても女子高ってのは怖いところですねぇ。スクールカーストってのは色んな学校であると思いますが、もういじめ方が陰湿。怖い怖い。自分が女性だったとしたら生きていけるかなという不安になるぐらいの暴挙の数々でした。旧校舎の使われてない部屋に鍵かけて翌朝まで放ったらかしとか可哀想すぎます。

キャストの中で気になったのはアイドルと高校生の二足の草鞋で、愛に飢えた浅川七海役を演じる鳴海唯という子。純粋にショートカットの似合う可愛い子というのもありましたが、血塗れで母親に迫る狂気の面持ちは今でも忘れません。今後の出世を期待します。

あと精神科医の霧島先生として登場した六角精児。かなりいい人の役なんですが、表情も演技も怪しすぎて最後まで疑いの目を捨てられませんでした。
なんと劇場版では探偵役で再登場しているようなので、次の役柄も期待したいところです。いや、あんな奇妙な先生と診察室に2人きりとか怖すぎでしょ。

劇場版は個人的に気になる俳優の森崎ウィンが出演しているようなので気にはなっています。まだ先週末公開の新作で気になっている『スペシャルズ』『喜劇 愛妻物語』が観れていないので時間と相談しながら鑑賞しようと思います。
とりあえずドラマを鑑賞して『ミッドウェイ』よりは優先順位が上がりました。
EDDIE

EDDIE