EDDIE

絶対正義のEDDIEのレビュー・感想・評価

絶対正義(2019年製作のドラマ)
4.0
「私何か間違ったこと言ってる?」
「範子の正義は人をも殺す」
山口紗弥加が徹底的な正義を追及することで人をも恐怖に貶めるスリラー。正しいことをしているつもりが、人としての思いやりに欠けると全てを狂わせる。
彼女の高校生役、娘役を演じた白石聖の狂気も凄い。

2日で一気見!面白かった!

法律に則ること、正義を貫くことの難しさを伝えるいいドラマだったと思う。
人間というのはこのドラマの中であったように、“赦す”という行為が行われることで絶対的に法律ばかりを正義としていない世界でもあります。
本作では高校教師が彼らの将来を思い生徒の喫煙を見逃すシーンがあります。
しかし、それを“赦さない”ことで、教師だけでなく、生徒たちも将来を脅かされることが起こりうるわけです。

人間には感情があります。法律もあくまで人間が秩序を保つために人為的に作った道具でしかありません。それを絶対のものとすることこそ、危険な行為なのです。

だから、山口紗弥加演じる高規範子は人間としての感情が欠落していることで、法律と母の教えを絶対視していることで、周りが怪訝に思っても「私何か間違ったこと言ってる?」の一言でその場を凍り付かせるのです。
感情のある人であれば、他人からどう思われるかを気にしてしまうので、均衡を図ってどうすれば事をうまく治められるかと、法律度外視した決断を下すわけです。

あとは仲の良い友人で、メインキャストとして美村里江、片瀬那奈、田中みな実、桜井ユキの4人を揃え、そこに5人目となる山口紗弥加をあててきている人数の歪さを設定に持ってきたのは上手いですね。
仲良し何人組みたいな感じで人が揃う時、とくに飲食店なんかに行くとわかりますが、4人までは収まりが良く同じ話題で会話がしやすいんですが、5人以上になると席の工夫をしなければいけないとか、話題が2つに分かれて会話グループも2つに分かれがちです。
だから、5人目として親友として加わることの難しさと最終的にその歩み寄りをどのように見せるかが本作の肝だったのかなと感じました。
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