舞台は定時制高校で、生徒も先生も、登場人物はどこかで「ふつう」からはみ出たひとたち。それぞれクセが強いので当然いろいろな事件も起こるわけですが、それを過度にドラマティックに描くわけでもなく、日々は淡々と進む。生きることは楽ではないけれど、誰も自らの境遇を嘆いたり、恨んだり、誰かを憎んだりしていないんですよね。生徒も先生もそういうまっすぐな気持ちがベースにあるのでとてもさわやかだった。真摯に学校に通う姿、「大人が勉強して何が悪い」というセリフ、別にお涙頂戴的な演出があるわけでもないのにボロボロに泣いちゃう。 いかんせん約25分×7話というミニマルな構成なので脚本には物足りなさや駆け足感も覚えつつ、でも丁寧に作られていて、言葉に重みがあった。映像の質感も贅沢。青みがかった静かな映像は、定時制高校の大人たちの物語にふさわしいと感じました。主題歌「灯」もエモくて良い(*2021年4月14日発売『Nothin’ but funky』通常盤収録)