なっこ

ドリームチームのなっこのネタバレレビュー・内容・結末

ドリームチーム(2021年製作のドラマ)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

2021年冬“いちばん元気をくれたドラマ”
シスターフッドの船に乗る 一度死んでも、またどこか別の場所で生き返ればいい そのとき父性は不必要じゃない できれば灯台のように点滅してくれてればいい 

/この番組について/ (NHKHPより)
ステキ主婦からふびんな妻へ転落した主人公・香菜(39)
突然の左遷&彼の浮気発覚に沈む優子(51)
“盛った”ことがばれてSNSが大炎上した茜(27)
彼女たちの共通点は、高校時代、バスケ部のキャプテンとして青春をかけたということ!ドン底にいる彼女たちの背中を後押しするのは、バスケ部の恩師の言葉、「最後まで攻めろ!」
逆境を乗り越え、一度はつまずいても新たな人生へと一歩踏み出していく、すがすがしい姿を描く物語です。(全8話)

/各話感想/
#最終回
「この人今日は“お母さん”の日なんです」ヒロインを職場から飛び出させた言葉は茜のこの言葉だった。女性に課せられる役割は数が多い。スタンプラリーのように全て集めて全てを生きようとしなくても良い。けれど何かによってどれかを諦める必要もないと思う。今日はお母さんでいたい、そんな真っ直ぐでシンプルな願いをただ叶える、そういう受皿がちゃんとある現実であって欲しい。武藤さんがアプリ開発に惹かれた理由も多分そういうところ。“win-win”だとかスピードだとかビジネスにならないところを拾ってくれる仕組み、誰かの願いから生まれるものは、時間も人手もより多くかかる、でもやる価値はある。

ラスト近くでロングシュートがスパッと決まるところが良かった!すごく練習したんじゃないかな。だんだんフォームが良くなってきてたから。スリーポイントは決まると気持ち良いね、そのためには地味で継続した練習が欠かせないけれど。

#7
IT企業社長の庄野の部下の武藤(釈由美子)の指摘は悔しいけど当たってる。彼女みたいな全部持ってる女が現代の働く女のゴールなのかな。

#5,6
匿名での批判は、安全なところから石を投げること。本当にそうだと思う。マンツーで対決して突破されそうならゾーンディフェンスに切替える、なんて戦略的。
このドラマの良いところは、完全なる敵がいないところ。実人生でも完全な悪人には出会わない、厄介な人には出会うけれど。分かりやすく勧善懲悪で描けばスッキリもするけれど、本当の人生はそれを上手くかわしながら先へと進むことだと思う。元旦那にしても茜の同僚にしても、対峙して本音でぶつかってはじめて分かることもある。倒すべき相手ではなくてちゃんと逃げずにぶつかる相手であり、そうすればゆくゆくは味方にもなってくれるかもよ、という理想的な展開を描いてくれている。ベッキーにしても、出会った人が結局ヒロインの手助けをしてくれる展開、お節介がお節介を生む展開ってなんだか愛おしい。
それにしても名言多いな。かつて女の子だった私たち。みんなオールドガールになっていく。でもただ古びていくだけが人生ではないはず。

#3
人生の主導権を握り続けるのって実はしんどかったりする。誰かの人生に便乗させてもらった方が楽できるかもよ。でもそれじゃきっと“楽しそう”にはならない。“楽しそう”を主体的に。それが一番良い気がする。
それにしてもヒロインの夫のことを考えると暗澹たる気持ちになる。それに引き換え悠一は地味かもしれないけど一生懸命でかわいい。彼を見てるとあたたかい気持ちになる、それが救い。

#1
夫次第の主婦の人生は不自由だ。何も言わないで我慢が続けばこんなに支配されてたってことはあり得そう、対等でいることはきっと難しい。“私の選んだ男”過去の選択に責任を持つことは大事。でも上手くいっていないところに目をつぶってしまっていないか確認しつつ進むことも大事。過去に縛られた残念な今にならないように。

黄色い薔薇の花言葉は「笑ってさよなら」私はこの言葉に救われたことがある。
だからこのミニブーケが苦境にあった彼女たちを繋いだのだと思う。

「逃げるな!挑戦!」
自らを鼓舞する言葉は心の奥で眠ってる。声を拾い上げて進め。打ちのめされても人生をサボらないと歩き出した前向きなヒロインが素敵。

それにしてもバスケ部の寮はロケーションが素敵。海が近くて、外のハーフコートのバックには海がキラキラしてる。風が強いだろうけど画になる。
なっこ

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