“私”の背中を押す物語
“誰か”のためは案外弱い、
“私のために生きてみよう”、そんな風に決意させてくれる物語。
ラストシーンを見ながら、そんな風に感じた。ベリーダンスだけじゃなく、どんな表現にもその人のstoryが表れる。
その人にしか踊れないdance がある。
みんな自分のdanceを踊るしかない。
誰かの代わりなんて出来ない。
自分の心の穴は、自分の希望や願いで埋めていくもの。
目線を上げれば“生きていく理由”が、みつかる。
落ちこむときは、自分に足りないものばかり数えてしまう。失うことばかり恐れてしまう。
でも、そういうときこそ、その日自分が出会ったもの、出来たこと、かなった希望、小さくてもキラキラした自分だけに分かる何かを集めて、ちゃんと“いまの自分”を認めてあげること。それが日々出来る人がいちばん強い。さらにそれを人に勧めてその人らしさに気付かせてあげられる人は、もっとすごい。この物語には、そういう利他の行動ができる人間関係に溢れていた。だからとても励まされる。
原作は連載誌をたまにパラパラ読んだ程度。
原作よりもヒロインの田中さんは、線が細いというか、少し性格も容姿も柔らかさを増していて、より共感しやすいキャラクターになっている。全体的に登場人物誰もが輝けるようなstoryに仕上がっていて、とても素敵なメッセージのある作品になっている。
シスターフッドと周りの男たちもそれぞれがちゃんと成長していく物語。
ベリーダンスの煌びやかさがその物語に花を添える。2023年秋スタートドラマは、この作品がいちばんおすすめ。