Soshi

ボーイズ・ドント・クライのSoshiのレビュー・感想・評価

ボーイズ・ドント・クライ(1999年製作の映画)
3.5
性同一性障害が一般的に認知されていない1990年代初期のアメリカ。ブランドンという身体は女性、心は男性の物語。性別を偽り、彼氏を作ろうと奮闘していた。そこで出会ったのがラナ。歌が上手く、カラオケで生計を立てようとしている工場務めの美人。他にはラナの母親と元囚人の2人が主な登場人物。他人には男性として振る舞い、元囚人が大切にしているラナと付き合い始めるブランドン。スピード違反で捕まったことで、ラナの母親と元囚人2人はティーナ・ブランドンというブランドン本名を知る。やはり、舞台は90年代。性同一性障害に寛容がない人たちには受け入れられない。あんなに仲良くしていたラナの母親と元囚人たちに、ブランドンは怪物と罵られ、レズと揶揄され、遂にはひどい事件へ巻き込まれてしまう…

これが現実なのか。と突きつけられる作品。アカデミー主演女優賞を受賞しただけのことはある。ブランドン役の女優も全てを曝け出す名演技。髪も身体も口調も心も全てブランドンになりきっていた。

今は少しずつ性同一性障害に寛容になってきた世の中になってきて、本作に携わった人も、ラナやブランドン本人も心が救われているのではないか。
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