Soshi

靴ひものSoshiのレビュー・感想・評価

靴ひも(2018年製作の映画)
4.0
母親が亡くなり、施設に入るまでの間、自分を見捨て36年間別々に暮らしていた父と過ごすことに。寝る前の足のマッサージ、13時のランチ、プレート内で料理が別の料理くっつくことが嫌など、母親と過ごしてきた習慣を大切にする主人公のガディ。その習慣すら知らず、自分勝手に生き、発達障害を有する彼を快く思っていない父親とのストーリー。「靴ひも」というタイトルは、面接官の前で靴紐を結べるかどうかを試されるが、特別補助金をもらうために結べないフリをするという場面から。

腎不全になり透析に通う父親が移植手術を要する身体になったため、主人公は36年も自分を無視して生活していた父に対し、自分の腎臓を移植することを申し出る。しかし、父親は長い間見捨ててしまっていた過去から、そんな虫のいい話を承諾できない。

そんな2人に感情移入しすぎて、観ていて辛い。
ラストもあの流れとは思わなかったが、「現実でもあんなストーリーになることもある」としか自分を納得させられない。とにかくイスラエルの映画は初めてということもあって期待していなかったが、こんなにもハートフルで賞賛されるべき作品に出会えて幸せ。
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