Ren

グレイマンのRenのレビュー・感想・評価

グレイマン(2022年製作の映画)
2.0
想像通りの出来。ハナから期待はしていなかったため別段がっかりもしなかったけど、特に面白おかしく語ることもできない「無」だった。Netflixかつ高額製作費の映画は地雷率が高いため、今後の一つの価値基準にしようと決めた。

『ミッション:インポッシブル』シリーズや『ジョン・ウィック』シリーズ、『ザ・ロック』等の大味アクション大作に『レオン』を振りかけた作品。映画的に語る点は以上。
人気のある俳優陣をメインに据えてドンパチやればいいんでしょ?と思っているのなら観客をナメすぎだし、そうでないなら脚本が粗末すぎて問題。前述のような作品群のように後々まで語られるとも思えない....。これだけ大規模にやるならやっぱり歴史に残るものを観たいよ。

話を引き伸ばすために敵勢力が弱体化しているのもいただけない。自陣営が残らず吹っ飛ばされた後にクリエヴァが真顔でボソっと「予想外だ」と言ったのが一番のおもしろシーン。予想しとけ。こういうのばっかりなら良かったのに無駄にシリアスにしてしまったものだから楽しみ方も良く分からない。
だとしたらアクションをとにかく見たことがない・洗練された・ど迫力のものに振り切って見せるべきで、それもちょっと弱かったのが珍妙。中盤のベンチの裏側や路面電車など限定空間でのアクションは名シーンになるポテンシャルがあったはずなのに、ちゃきちゃき刻まれすぎるカットとカメラワークのせいで何が起こっているのか把握しづらくグルーヴしていかない。もはやなぜ戦っているのかすらよく分からない。街破壊する必要あった?
終盤の急な肉弾接近戦の可笑しさはさながら『ミッション:インポッシブル2』。やはりイキり&ヘタレを兼ね備えたクリエヴァ周りの描写はコメディだ。

はっきり言ってキャストも消化不良だった。ライアン・ゴズリングは『ドライヴ』以後演技が進化してなくてそろそろこういう役いいわってなるし(キャスティング側の問題)、クリエヴァは『ナイブズ・アウト ~』に続いてキャップのイメージを払拭しようと頑張ってるけどやっぱり悪人をこなすには演技力が追いついてないと思う。これはまだキャリアの途中なので今後の作品にも期待したいけども。

唯一、人混みや建物の隙間を爆速で縫っていくドローンカットの多用は面白かった。それ自体に特に意味は無いのだけど、鳥目線でぐねぐね動くカメラワークはそれだけでエンターテイメントになる。

MCU以外のルッソ兄弟作品を初めて観たけど、単発アクションの連打・キャラクターの記号化がどうにも目について、単作は向いていないと感じた。テレビドラマ出身の監督なので、『~ ウィンター・ソルジャー』や『~ インフィニティ・ウォー』はMCUというある意味ドラマのように繋がる特殊な映画群だったからこそ上手くいったということだったのだと思う。
Ren

Ren