ホイットモア大統領

ハケンアニメ!のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
4.2
「ハケン」てそれ!?笑

てっきり、“「派遣」社員がアニメ会社で巻き起こす旋風” の話かと思ったら、“アニメ戦国時代に視聴率で「覇権」を取る” 話でした笑

でも、新作アニメはサブスクで先行放送されることが多く、話題作でも深夜放送が当たり前の現代で、夕方5時代のアニメの視聴率争いと言われても違和感でしかなく…
むしろ原作が2012-14年連載だから、同年代設定にすれば良かったんじゃ…

と、気になる点はこのぐらいで、チームもののスポ根感覚に近い、熱さ漲る傑作でした!!東映製作だからか、むやみに恋愛要素をぶち込んでこないのもマル笑

天性の才能
vs.
無骨な努力家

もちろん後者の吉岡里帆さん演じる斎藤監督が主人公だけど、前者の王子監督演じる中村倫也さんとそのプロデューサー演じる尾野真知子さんが秘める苦悩と葛藤の、あえて余白を持たせた “描き過ぎない” バランスも絶妙。

個人的には斎藤監督とアイドル声優との確執と歩み寄りのシーンにグッときた。
できない理由や言い訳を並べるだけじゃなくて、己の立ち位置を理解し、自分にできることは何かを模索する姿、社会人として勉強になります!!!

ただ、白眉は柄本佑さん演じるプロデューサー、行城。個人的にベスト柄本佑。
売れるためなら何でもやる精神で斎藤監督を追い込んでいくわけだけど、アイドル声優然り、背景や思うところがあるところを丁寧に描いていた点がドラマの質を高めていたと思う。

他にも地方アニメということで、公務員や原画スタジオのアニメーター等、主役2人とは明確な絡みが無くても、そのキャラの個性と仕事が蛇足ではなく、むしろ作品に奥行きを与えていた点も良かった!

けど肝心のアニメ…あんまり惹かれなかったな笑笑